退職を伝えると、慰留されることがあります。

よくある慰留

  • 「あのケースはあなたじゃないと」
  • 「利用者さんが混乱する」
  • 担当件数を減らす提案
  • 部署・担当分野の変更
  • 昇給、役職への登用
  • 「年度末まで」という期間の延長

判断の軸

提案を受けるかどうかは、辞めたい理由がその提案で解決するかで決まります。

  • 担当件数が理由 → 何件まで減るのか、いつから、維持されるのか
  • 一人で抱える構造が理由 → 体制が変わるのか
  • 消耗が理由 → 担当が変わって回復する見込みがあるのか、療養が必要か
  • 組織の方針との食い違いが理由 → 方針が変わるのか

条件面の改善は口頭ではなく書面で確認してください。「検討する」「善処する」といった表現は、後から実現しないことがあります。

「あなたじゃないと」への向き合い方

相談援助職に最も効く引き止めの言葉です。支援関係が個人に結びついている職種だからです

ただし、次の点を考えてください。

  • 特定の個人にしか担えない体制は、組織として脆弱です
  • 引き継ぎを丁寧に行えば、支援は続きます
  • 消耗しきってから辞めるほうが、引き継ぎの質は落ちます
  • あなたが倒れた場合、結局は誰かが引き継ぐことになります

罪悪感を利用した引き止めに応じ続けると、辞める時期を失います

断る場合

理由を細かく説明する必要はありません。

  • 「ありがたいお話ですが、退職の意思は変わりません」
  • 「一身上の都合ですので、ご理解ください」

繰り返し話し合いを求められる場合は、退職届を書面で提出してください。退職届は到達した時点で効力が生じるため、「受理しない」と言われても影響しません。

期間の定めのない雇用契約であれば、民法627条1項により解約の申入れから2週間の経過で退職できます。

応じてもらえないとき

  • 退職届を内容証明郵便で送る
  • やり取りを記録する
  • 総合労働相談コーナーに相談する

退職を認めない、離職票を出さない、登録証を返さない、といった対応は認められません

公務員の場合

自治体に採用されている場合、辞職は任命権者の承認によって効力が生じます。ただし、正当な理由なく長期間にわたって承認を拒み続けることは、権利の濫用と評価され得ます

辞職願を書面で提出し、控えを保管してください。