相談援助職は、他者の困難に継続的に向き合う仕事です。消耗が蓄積しやすい構造があります。

消耗が蓄積しやすい構造

  • 解決しない問題に長く関わり続ける
  • 制度で対応できない事情に直面する
  • 本人の希望と、家族や制度の枠が対立する
  • 支援しても状況が悪化することがある
  • 虐待、自死、困窮といった重い場面に接する
  • 成果が見えにくく、評価もされにくい
  • 記録・書類の量が多い

これらは個人の弱さの問題ではなく、業務の性質から来る負担です

兆候

次のような変化に気づいたら、消耗が進んでいるサインです。

  • 利用者の話を聞いても何も感じなくなる
  • 「またこのケースか」と感じる
  • 事務的に処理している自分に気づく
  • 出勤前に強い抵抗を感じる
  • 仕事以外のことに関心が持てない
  • 眠れない、食欲がない

「感じなくなること」は、消耗の重要な兆候です。共感の力が落ちている状態は、支援の質にも影響します。

受診の目安

上記の状態が2週間以上続いている場合は、心療内科・精神科を受診してください

退職の前に検討できること

担当の見直し

特定のケースが負担になっている場合、担当の変更や複数担当制を相談できないか確認してください。

スーパービジョン

事例を振り返り、専門職から助言を受ける機会があるかを確認してください。組織内になければ、職能団体や外部のスーパーバイザーを探す方法があります

休職

休職の制度があるかを就業規則で確認してください。在職のまま休むことで、傷病手当金を受けられる可能性があります。

職場を変える

同じ職種でも、職場によって負担はまったく違います

  • ケースの重さ
  • 一人あたりの担当数
  • チームで支える体制があるか
  • スーパービジョンの有無

傷病手当金

健康保険の傷病手当金は、業務外の病気やケガで働けない期間について支給されます。1日あたりの金額は、支給開始日以前の直近12か月の標準報酬月額を平均した額の30分の1に相当する額の3分の2です。支給される期間は、支給を始めた日から通算して1年6か月です。

連続する3日間の待期を満たし、4日目以降の休んだ日が対象になります。待期には有給休暇や土日祝も含まれます。

退職後も受け取れる場合があります。退職日までに健康保険の被保険者期間が継続して1年以上あり、退職日の前日までに連続3日以上休業していて、退職日も休業していることが条件です。退職日に挨拶で出勤すると受けられなくなるため注意してください。

出典: 全国健康保険協会「傷病手当金」

業務が原因の場合は労災

過重な業務やハラスメント、利用者や家族からの著しい迷惑行為が原因で健康を害した場合、労災保険の対象になる可能性があります。精神障害についても、業務による心理的負荷が原因と認められれば認定の対象になり得ます。

業務との関連について医師に相談し、判断に迷う場合は労働基準監督署に相談してください。

相談先

  • 職能団体(都道府県の社会福祉士会、精神保健福祉士協会)
  • 各都道府県の精神保健福祉センター
  • 総合労働相談コーナー(各都道府県労働局)

同職種に相談できる場を持つことが、続けられるかどうかを分けます