船員が陸に上がる理由として最も多いのが、家族と過ごす時間の問題です。

後ろ向きな理由ではない

長期乗船は、家族の行事、子どもの成長、親の介護といった場面に立ち会えないことを意味します。

これを理由に陸上職を選ぶことは、多くの船員が通る道です。転職の面接でも、海運業界であれば面接官が事情を理解しています。

判断の前に整理すること

漠然と「家族といたい」と考えているとき、次のように分けて書き出してみてください。

  • 乗船期間はどれくらいか(何か月乗って何か月休むか)
  • 休暇のときに何ができていないか
  • 家族が具体的に困っていることは何か
  • 収入が下がった場合に生活が成り立つか

乗船期間が短い船(内航、近海)に移ることで解決する場合もあります。外航から内航へ、長期航路から短期航路へという選択肢があります。

収入の変化を見込む

船員の給料は、陸上職と比べて高く設定されていることがあります。陸に上がると収入が下がる場合があります

  • 現在の年収の内訳(基本給、各種手当)
  • 陸上職に移った場合の見込み
  • 支出の変化(乗船中は船内で生活しているため、陸上勤務では生活費が増えることがあります)

家族と数字を共有してから決めてください

陸上職への転換

まず現在の会社に陸上職の可能性があるかを確認してください

海運会社には、海務、工務、運航管理、安全管理といった職種があります。乗船経験がそのまま活きる仕事です

会社に残れるなら、退職に伴う手続きや保険の切り替えが不要になります。

海技免状をどうするか

陸上職に移る場合でも、海技免状を維持するかどうかを決めておいてください

乗船から離れると更新の要件を満たせなくなることがあります。地方運輸局に確認してください。

「いつか戻るかもしれない」なら、維持の見通しを立てておくべきです

住まいの問題

会社の社宅や寮に住んでいる場合、退職に伴って退去が必要になることがあります。

  • 退去の期限
  • 次の住まいの確保
  • 子どもの学校

退職日と退去日は別に調整が必要です。家族が同居している場合、転居の影響は大きくなります。

家族に相談するタイミング

辞めると決めてから伝えるのではなく、考えている段階で相談してください

  • 収入が下がる可能性
  • 勤務地が変わる可能性
  • 転居の可能性

家族の側にも準備が要ります。

陸上勤務に慣れるまで

長く乗船していた人が陸上勤務に移ると、生活のリズムや人間関係の密度の違いに戸惑うことがあります。

これは一時的なものであることが多いのですが、体調に影響が出る場合は産業医や医療機関に相談してください

相談先

  • 会社の海務・人事担当
  • 地方運輸局の船員労務官(労働条件に関すること)