船員の労働時間と休日は、労働基準法ではなく船員法が定めています。
労働基準法は適用されない
労働基準法116条1項により、労働時間・休憩・休日に関する労働基準法の規定は船員には適用されません。
出典: 労働基準法116条1項
そのため、「1日8時間・週40時間」「毎週1回の休日」といった労基法の枠組みをそのまま当てはめることはできません。
船員法の定めと、自分の雇入契約・労働協約の内容を確認してください。
記録を残す
制度がどうであれ、実際に働いた時間を自分で記録しておいてください。
- 当直の時間帯と実際の時間
- 荷役作業に従事した時間
- 入出港作業の時間
- 呼び出しを受けて対応した時間
- 休息を取れなかった日
記録の有無が、後から未払いを主張するときに効きます。
休息に関する国際的な枠組み
船員の労働時間・休息時間については、海上労働条約(MLC)をはじめとする国際的な枠組みがあり、日本の法令もこれを踏まえた内容になっています。
具体的な基準は船種、航路、職名によって異なります。自分に適用される基準は、会社の担当者または地方運輸局に確認してください。
相談先が労働基準監督署ではない
船員法に関する監督は国土交通省(地方運輸局等)が行います。
労働時間、賃金、雇入契約に関する問題は、労働基準監督署ではなく地方運輸局の船員労務官に相談してください。
窓口を間違えると、たらい回しになって時間を失います。
雇入契約の内容を確認する
船員法32条1項は、船舶所有者が雇入契約を締結しようとするときに、あらかじめ書面を交付して説明しなければならない事項を定めています。
一 船舶所有者の名称又は氏名及び住所
二 給料、労働時間その他の労働条件に関する事項であつて、雇入契約の内容とすることが必要なものとして国土交通省令で定めるもの
同条3項により、契約の内容を変更しようとするときも、あらかじめ書面を交付して説明することとされています。
出典: 船員法32条
交付された書面を保管してください。「労働条件と事実とが著しく相違するとき」(船員法41条1項2号)に契約を解除する根拠になります。
条件が違うと感じたとき
- 1 交付された書面と実際を照らし合わせる
- 2 相違の内容を記録する
- 3 会社に書面で申し入れる
- 4 解決しない場合は地方運輸局の船員労務官に相談する
船員法41条1項2号により、労働条件と事実が著しく相違するときは雇入契約を解除できます。この場合、船員法47条により送還の対象にもなり得ます。