船員の退職は、船員法42条により書面での解除の申入れが必要です。
船員法42条が求めるもの
期間の定のない雇入契約は、船舶所有者又は船員が二十四時間以上の期間を定めて書面で解除の申入をしたときは、その期間が満了した時に終了する。
条文が求めているのは次の2点です。
- 書面であること
- 24時間以上の期間を定めること
出典: 船員法42条
様式は定められていない
条文は「書面で」としているだけで、様式は決まっていません。会社に定められた様式がある場合はそれに従い、なければ次の要素を入れてください。
- 表題(退職届、または雇入契約解除申入書)
- 雇入契約を解除する意思
- 解除の効力が生じる日(24時間以上先の日付)
- 提出日
- 所属(船舶名、職名)と氏名
- 宛名(船舶所有者)
例文
退職届
私事
このたび、一身上の都合により、令和○年○月○日をもちまして雇入契約を解除し、退職いたしたく、船員法第42条に基づき書面をもってお申し入れいたします。
令和○年○月○日
○○丸 一等航海士 氏名 印
○○海運株式会社
代表取締役 ○○○○ 殿
「令和○年○月○日をもちまして」の日付が、提出日から24時間以上先であることを確認してください。
宛名
雇入契約の相手方である船舶所有者(会社)です。船長宛ではありません。
ただし、実務上は船内で船長を経由して会社に提出することがあります。提出の経路は会社の慣行に従ってください。
期間の定めがある契約の場合
期間の定めのある雇入契約を期間の途中で解除する場合、船員法41条1項の事由(船舶が国籍を失った、労働条件と事実が著しく相違する、負傷・疾病で職務に堪えない、教育を受けようとするとき)に該当する必要があります。
該当する事由がある場合は、書面にその旨を記載してください。
労働条件の相違を理由にする場合
船員法41条1項2号(労働条件と事実が著しく相違するとき)を理由にする場合、交付された書面(船員法32条による)と実際の相違を具体的に示せるようにしてください。
この場合、船員法47条により送還の対象になり得ます。
控えを必ず残す
提出前に、内容をコピーまたは撮影して控えを残してください。提出した日付と、受け取った相手も記録してください。
書面が届いたかどうかが争いになる可能性がある場合は、郵送し、記録の残る方法(内容証明郵便など)を使ってください。
用紙と封筒
- 白无地の便箋(B5またはA4)
- 黒のペン
- 白无地の封筒
乗船中に提出する場合は、船内の状況に応じた形で構いません。書面であることと、日付が明確であることが重要です。