船員の引き継ぎは、交代する要員に対して船内で行うのが基本です。
職名ごとの引き継ぎ
航海士
- 航海計画と次港までの予定
- 海図・書誌の改補状況
- 航海機器の状態と不具合
- 荷役の状況(担当している場合)
- 安全管理に関する記録
機関士
- 主機・補機の運転状況と不具合
- 整備の履歴と次回の予定
- 部品の在庫と発注中のもの
- 燃料・潤滑油の残量と手配
- 検査の時期
部員
- 担当している作業の進捗
- 工具・備品の所在
- 整備で途中のもの
事務・司厨
- 在庫と発注状況
- 書類の保管場所
- 費用の精算で途中のもの
共通して引き継ぐこと
- 検査・証書の期限(船舶の検査、各種証書の有効期限)
- 対応が途中の指摘事項
- 陸上(会社)とのやり取りで継続中のもの
期限のあるものを最優先で引き継いでください。
記録に残す
口頭だけでは伝わりません。引き継ぎ書を作成し、交代者と船長に渡してください。
返却するもの
- 会社から貸与された物品
- 作業服、保護具
- 船内の鍵
- 貸与された端末
受け取るもの
- 船員手帳(船員法50条2項により乗船中は船長が保管しています。必ず返却を受けてください)
- 海技免状の原本(会社が保管している場合)
- 訓練の修了証
- 健康証明書
- 離職票(雇用保険の手続きに必要。船員保険・雇用保険の扱いを会社に確認してください)
- 源泉徴収票(所得税法226条により、退職の日以後1か月以内に交付)
- 退職証明書(必要な場合)
船員手帳には乗船履歴が記録されています。受け取ったら内容を確認してください。
返却物・受領物の記録
リストにして、受領のサインをもらってください。
船を降りた後に会社とやり取りするのは、陸上の仕事より手間がかかります。下船時にできることは済ませてください。
私物の持ち帰り
長期乗船では船内に私物が蓄積します。下船時にすべて持ち帰ってください。
後から取りに行くことは、船が動いている以上ほぼ不可能です。
未消化の有給休暇
船員法78条2項により、有給休暇を与えられる前に退職したときは、与うべき日数に応じた給料・手当・食費が支払われます。
下船・退職の手続きの際に、残日数と支払いの計算を確認してください。