リハビリテーションは継続して行うものです。引き継ぎの質が治療の継続性を左右します。
引き継ぎ書に書くこと
患者ごとの評価と経過
- 現在の評価結果(使用した評価法と点数)
- 経過(いつ、何が変わったか)
- 現在の目標と、その根拠
- 実施しているプログラムの内容と量
介入の意図
最も抜けやすく、最も重要な部分です。
- なぜその目標を設定したのか
- なぜそのプログラムを選んでいるのか
- 試して効果がなかった方法と、その理由
- 患者本人が拒否していること、意欲を示すこと
- 家族の理解と協力の程度
記録に残っているのは「何をしたか」であって、「なぜそうしたか」は残りにくいものです。
リスク管理
- 中止基準、バイタルの注意点
- 転倒リスク、誤嚥リスク
- 医師からの指示で特に注意すべき事項
- 装具・自助具の使用状況
リスクに関する情報は最優先で、口頭でも重ねて伝えてください。
他職種との連携
- カンファレンスでの申し送り事項
- 看護師・介護職と共有している対応
- 医師からの指示の内容と経緯
退院・終了の見込み
- 退院予定日、目標としている状態
- 家屋調査の実施状況
- 退院後のサービスの調整状況
患者・家族への挨拶
いつ、どう伝えるかは上司と相談してから行ってください。
リハビリテーションでは、担当者との関係が意欲に影響することがあります。後任と一緒に介入して引き継ぐのが望ましい形です。
記録・データは持ち出さない
- カルテ、実施計画書、評価記録
- 動画・写真(動作分析、嚥下造影の記録など)
- 検査結果
守秘義務は理学療法士及び作業療法士法16条、言語聴覚士法44条により、資格者でなくなった後も続きます。
私物の端末に保存した動画・写真は、退職前に必ず削除してください。
返却するもの
- 白衣、名札
- 職員証、入退室のカード
- 貸与された端末
- 免許証の原本(勤務先が保管している場合)
- 健康保険証(退職日まで使用)
返却物はリストにして、受領のサインをもらってください。
部門の業務
担当患者以外にも引き継ぐものがあります。
- 訓練機器・評価用具の管理
- 自助具・装具の在庫と業者
- 実習指導を担当している場合、その進捗
- 委員会活動
- 統計・実績の集計
引き継ぎが終わらないと言われたら
引き継ぎが終わらないことを理由に退職を拒むことはできません。期間の定めのない雇用契約であれば、民法627条1項により解約の申入れから2週間の経過で退職できます。
引き継ぎ書を作成し、提出した記録を残しておいてください。