患者の心身の状態、生活歴、家族関係に触れる職種です。守秘義務は退職しても消えません。

理学療法士及び作業療法士法16条

理学療法士又は作業療法士は、正当な理由がある場合を除き、その業務上知り得た人の秘密を他に漏らしてはならない。理学療法士又は作業療法士でなくなつた後においても、同様とする。

出典: 理学療法士及び作業療法士法16条

言語聴覚士法44条

言語聴覚士は、正当な理由がなく、その業務上知り得た人の秘密を漏らしてはならない。言語聴覚士でなくなった後においても、同様とする。

出典: 言語聴覚士法44条

どちらも「でなくなった後においても、同様」と明記されています

実際に気をつけること

記録・評価データを持ち出さない

  • カルテ、リハビリテーション実施計画書、評価記録
  • 動画、写真(歩行分析、動作の記録など)
  • 検査結果

「自分が評価したデータだから」「勉強のため」という理由も通りません

私物のスマートフォンやパソコンに保存したものがある場合は、退職前に削除してください。動画や写真は特に注意が必要です。

学会発表・症例報告

在職中に取り組んでいた症例報告や研究がある場合、退職後の扱いを確認してください。

  • データの所有と管理の主体
  • 倫理委員会の承認の範囲
  • 患者の同意の範囲
  • 共同発表者との取り決め
  • 施設名の使用

退職後に自分の判断だけで発表を進めることはできません

転職の面接

前職の経験を説明する際、特定の患者の症例に触れることはできません

説明できるのは、担当した疾患の種類、単位数の規模、使用した評価法といった一般的な範囲です。

SNS

症例の内容を、特定できない形であっても発信することには慎重であるべきです。地域や施設の規模によっては特定される可能性があります

個人情報の保護

守秘義務とは別に、個人情報の保護に関する法令や施設の規程があります。署名した誓約書の内容を確認してください

控えを持っていない場合は、退職前にコピーをもらってください。

退職後に問い合わせが来たら

以前担当した患者について連絡が来ることがあります。自分で回答せず、施設の記録を確認してもらうよう案内してください

患者本人や家族から個人の連絡先に相談が来た場合も同じです。現在の担当や施設の窓口を案内してください