退職を伝えると、慰留されることがあります。

よくある慰留

  • 「代わりの言語聴覚士が採用できるまで待ってほしい」
  • 「担当患者が退院するまで」
  • 担当領域の変更、単位数の調整
  • 昇給、役職への登用
  • 学会参加や研修の支援

判断の軸

提案を受けるかどうかは、辞めたい理由がその提案で解決するかで決まります。

  • 単位数が理由 → 何単位まで下がるのか、記録の時間は確保されるのか
  • 専門性が理由 → 担当する領域が本当に変わるのか
  • 1人職種の孤立が理由 → 人が増えるのか、増えるのはいつか
  • 身体的な負担が理由 → 担当の重症度が変わるのか
  • 体調が理由 → 業務が変わって回復する見込みがあるのか

条件面の改善は口頭ではなく書面で確認してください。「検討する」「善処する」といった表現は、後から実現しないことがあります。

「代わりが採用できるまで」への向き合い方

期限のない引き延ばしになりやすい表現です。言語聴覚士は募集しても採用に時間がかかることがありますが、後任の確保は施設の責任です

応じる場合でも、退職日を明確に決めてください

期間の定めのない雇用契約であれば、民法627条1項により解約の申入れから2週間の経過で退職できます。

「担当患者が退院するまで」への向き合い方

回復期であれば、退院を見届けたいという気持ちは自然です。

ただし、次々に新しい患者を担当することになるため、区切りは永遠に来ません

応じる場合は、「◯月◯日をもって退職する」と日付を決めてから、それまでに引き継げる範囲を整理してください。

断る場合

理由を細かく説明する必要はありません。

  • 「ありがたいお話ですが、退職の意思は変わりません」
  • 「一身上の都合ですので、ご理解ください」

繰り返し話し合いを求められる場合は、退職届を書面で提出してください。退職届は到達した時点で効力が生じるため、「受理しない」と言われても影響しません。

応じてもらえないとき

  • 退職届を内容証明郵便で送る
  • やり取りを記録する
  • 総合労働相談コーナーに相談する

退職を認めない、離職票を出さない、免許証を返さない、といった対応は認められません

免許証を返さないと言われたら

免許証は本人のものです。返却を拒む理由はありません

書面で返却を求め、それでも応じなければ総合労働相談コーナーや弁護士に相談してください。