院の仕事は営業時間外の作業が発生しやすく、賃金に反映されていないことがあります。

問題になりやすい時間

  • 開院前の準備、清掃
  • 閉院後の片づけ、施術録の記入
  • 月初のレセプト(療養費の支給申請)作業
  • 昼休みの電話番、急患対応の待機
  • 技術練習、勉強会、朝礼
  • 往診の移動時間
  • 自宅に持ち帰っての事務作業

これらが所定労働時間の外で行われている場合、労働時間として賃金の対象になり得ます

練習時間は労働時間か

判断の分かれ目は、それが使用者の指揮命令下にあるかどうかです。

労働時間にあたる可能性が高いのは次のような場合です。

  • 練習の日時が指定されている
  • 参加しないと評価や待遇に影響する
  • 院内で、院の設備を使って行う
  • 内容や進捗の報告が求められる

請求するために必要な記録

  • 出退勤の記録(自分で付けたメモでも意味があります)
  • レセプト作業や練習の日時が分かるもの
  • 業務のメールやチャットの送信時刻
  • シフト表の写し
  • 給与明細

記録は退職前に手元にコピーしておいてください。ただし、患者情報を含む資料の持ち出しは守秘義務の問題になります。自分の労働時間が分かる部分に限って控えてください。

時効

賃金の消滅時効は、労働基準法115条により当分の間3年です(退職手当は5年)。古い分から順に時効になっていくため、心当たりがあるなら早めに動いてください

出典: 労働基準法115条・附則143条3項

最低賃金

歩合や手当を含む給与体系でも、実際に働いた時間で割った額が最低賃金を下回ることはできません。地域別の最低賃金額は厚生労働省と各都道府県労働局が公表しています。

進め方

  1. 1 記録を整理し、未払いと考える金額を計算する
  2. 2 院に書面で請求する
  3. 3 応じない場合、労働基準監督署に申告する、または弁護士に相談する

在職中でも退職後でも請求できます

相談先

  • 労働基準監督署
  • 総合労働相談コーナー(各都道府県労働局)
  • 法テラス