運転士として働いている人が退職を考えるとき、まず気になるのが免許の扱いです。
地方運輸局長の免許
動力車操縦者運転免許に関する省令3条1項は次のように定めています。
鉄道、軌道及び無軌条電車の係員は、地方運輸局長の運転免許を受けた後でなければ、動力車を操縦してはならない。ただし、運転見習中の係員が運転免許を受けた者と当該運転免許に係る動力車に同乗してその直接の指導を受ける場合又は本線を支障するおそれがない側線において移動する場合は、この限りでない。
会社が与える社内資格ではなく、国(地方運輸局長)の免許です。同条3項により、動力車操縦者試験に合格した者に運転免許証が交付されます。
出典: 動力車操縦者運転免許に関する省令3条
免許の種類
同省令4条1項は、免許の種類を次のように定めています。
甲種蒸気機関車、甲種電気車、甲種内燃車、新幹線電気車、第一種・第二種磁気誘導式電気車、第一種・第二種磁気誘導式内燃車、乙種蒸気機関車、乙種電気車、乙種内燃車、無軌条電車の各運転免許です。
自分がどの種類の免許を持っているかは、運転免許証で確認できます。転職先で操縦できる動力車の範囲に関わります。
出典: 動力車操縦者運転免許に関する省令4条1項
退職は取消しの事由ではない
同省令6条1項は、地方運輸局長が運転免許の取消または停止をすることができる場合を定めています。
一 動力車の操縦に関する法律若しくはこれに基づく命令又は運転免許に付した条件に違反したとき。
二 別表二の上欄に掲げる項目についてそれぞれ同表の下欄に掲げる基準に適合しないこととなつたとき、又はそのおそれが生じたとき。
退職は取消しの事由として挙げられていません。したがって、会社を辞めても免許そのものは有効です。
出典: 動力車操縦者運転免許に関する省令6条1項
ただし身体の基準がある
6条1項2号にあるとおり、視力・聴力などの基準に適合しなくなった場合は取消または停止の対象になり得ます。免許を維持したいなら、健康状態の管理は退職後も関わってきます。
免許証の所在を確認する
会社が運転免許証を保管している場合があります。退職時に必ず返却を受けてください。
免許証は本人のものです。返却を拒む理由はありません。応じない場合は書面で返却を求めてください。
転職先で使えるか
免許は有効ですが、実際に運転士として乗務するには、転職先の会社での訓練や社内の資格認定が別に必要になるのが通常です。免許の種類と、転職先が運行する動力車が対応しているかを確認してください。
控えておくこと
- 運転免許の種類と番号
- 交付を受けた地方運輸局
- 乗務した線区と年数(会社が公表を認める範囲で)
退職すると社内の記録を確認できなくなります。