警察官の退職で最も重要な点のひとつが、守秘義務が退職後も続くことです。
地方公務員法34条
職員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も、また、同様とする。
条文にはっきりと「その職を退いた後も」と書かれています。退職によって守秘義務が解除されるわけではありません。
出典: 地方公務員法34条1項
同条2項
法令による証人、鑑定人等となり、職務上の秘密に属する事項を発表する場合においては、任命権者(退職者については、その退職した職又はこれに相当する職に係る任命権者)の許可を受けなければならない。
退職後に証人として職務上の秘密に関わる事項を話す場合も、任命権者の許可が必要とされています。
出典: 地方公務員法34条2項
実際に気をつけること
転職の面接
前職の経験を説明する場面で、具体的な事件の内容、関係者の情報、捜査の手法に触れることはできません。
説明できるのは、職務を通じて身につけた一般的な能力です。
- 交替制勤務での体調管理と時間管理
- 記録・報告書の作成
- 市民対応で培った説明の仕方
- チームでの連携
再就職先での業務
警備業、保険会社の調査部門、企業のリスク管理部門など、前職の経験が評価される再就職先があります。その場合でも、職務上知り得た具体的な情報を使うことはできません。
SNS・執筆・取材
退職後にSNSで発信したり、取材を受けたりする場合も同じです。「もう辞めたから」という理由は通りません。
在職中の営利企業への従事
地方公務員法38条1項は、職員が任命権者の許可を受けなければ、営利企業の役員を兼ねたり、自ら営利企業を営んだり、報酬を得て事業や事務に従事したりしてはならないと定めています。
これは在職中の規定です。退職後の就職を直接制限するものではありませんが、在職中に転職先で働き始めることはできません。副業として先に始めることも許可なくできません。
出典: 地方公務員法38条1項
退職前に確認しておくこと
- 所属で定められている退職時の誓約書の内容
- 再就職に関する届出や制限が条例・規則にあるか
都道府県によって定めが異なります。人事担当に確認してください。