保険営業を辞めるとき、多くの人が気にするのが「募集人の登録はどうなるのか」です。制度の建て付けから整理します。

募集人の登録は法律上の登録

保険業法276条は次のように定めています。

特定保険募集人(生命保険募集人、損害保険代理店又は少額短期保険募集人(特定少額短期保険募集人を除く。)をいう。以下同じ。)は、この法律の定めるところにより、内閣総理大臣の登録を受けなければならない。

社内の資格認定ではなく、法律に基づく登録です。登録を受けずに保険募集を行うことはできません。

出典: 保険業法276条

退職したときは届出が必要

保険業法280条1項は、特定保険募集人が一定の事由に該当したときの届出義務を定めています。同項2号は次のとおりです。

保険募集の業務を廃止したとき 特定保険募集人であった個人又は特定保険募集人であった法人を代表する役員

つまり保険募集の業務をやめたときは、遅滞なくその旨を届け出ることになっています。

実務上、会社の使用人として募集を行っていた場合の手続きは所属していた保険会社が行うのが通例です。退職手続きの中で会社が処理するのか、自分で何かする必要があるのかを、退職前に人事や支社の担当者に確認してください

出典: 保険業法280条

登録が残っていると何が起きるか

登録の状態は、次の職場での扱いに影響します。乗合代理店や他社に移る場合、前の登録が整理されていないと新しい登録の手続きが進まないことがあります。

退職時に「登録の抹消(または変更)の手続きが済んでいるか」を書面やメールで確認しておくと、後で困りません。口頭のやり取りだけだと、数か月後に確認しようとしても担当者が代わっていることがあります。

再就職するときは改めて登録する

保険業界に戻る場合、新しい所属先を通じて改めて登録の手続きを行うことになります。過去に受けた試験や研修の履歴がどう扱われるかは、業界団体や会社の制度によって異なります。転職先の採用担当に確認してください。

退職前に控えておくもの

  • 募集人の登録番号(自分の記録として)
  • 取得した資格・課程の履歴(一般課程・専門課程など)
  • 研修の受講履歴

いずれも次の職場で経歴を説明するときの材料になります。会社のシステムからしか見られない情報は、在職中に控えておいてください。