技術職の職場では、営業時間外の練習が慣習になっていることがあります。

練習時間は労働時間か

判断の分かれ目は、それが使用者の指揮命令下にあるかどうかです。

労働時間にあたる可能性が高いのは次のような場合です。

  • 練習の日時が指定されている
  • 参加しないと評価や待遇に影響する
  • 店舗内で、店の機器や材料を使って行う
  • 練習の内容や進捗を報告することが求められる

一方、完全に自主的で、参加しなくても不利益がなく、時間や場所も自由であれば、労働時間にあたらないと判断されることがあります。

問題になりやすい時間

  • 開店前の準備、清掃
  • 閉店後の片づけ、レジ締め、翌日の準備
  • 予約の合間の待機
  • 技術練習、モデルへの施術
  • 勉強会、研修
  • 自宅での予約管理、SNSの更新

請求するために必要な記録

  • 出退勤の記録(自分で付けたメモでも意味があります)
  • 練習や勉強会の日時が分かるもの
  • 業務のメールやチャット、SNSの投稿時刻
  • シフト表の写し
  • 給与明細

記録は退職前に手元にコピーしておいてください。ただし、顧客情報を含む資料の持ち出しは別の問題を生むため、自分の労働時間が分かる部分に限って控えてください。

時効

賃金の消滅時効は、労働基準法115条により当分の間3年です(退職手当は5年)。古い分から順に時効になっていくため、心当たりがあるなら早めに動いてください

出典: 労働基準法115条・附則143条3項

最低賃金

歩合中心の給与体系でも、労働者であれば最低賃金を下回ることはできません。実際に働いた時間で割った額が最低賃金を下回っていないかを確認してください。地域別の最低賃金額は厚生労働省と各都道府県労働局が公表しています。

業務委託の場合

業務委託契約であっても、実態が労働者にあたると判断されれば労働基準法の保護を受けられます。契約書の表題だけで諦めないでください

進め方

  1. 1 記録を整理し、未払いと考える金額を計算する
  2. 2 会社に書面で請求する
  3. 3 応じない場合、労働基準監督署に申告する、または弁護士に相談する

在職中でも退職後でも請求できます。