「近くのサロンで働いてはいけない」「お客様に連絡してはいけない」と言われることがあります。整理します。
競業避止の合意があるか
まず、署名した書面に競業避止の条項があるかを確認してください。
- 雇用契約書、業務委託契約書
- 入社時の誓約書
- 就業規則
条項がなければ、退職後にどこで働くかは基本的に自由です。職業選択の自由は憲法22条1項が保障しています。
条項があっても常に有効とは限らない
競業避止の合意があっても、無制限に有効というわけではありません。有効性は次のような点から判断されます。
- 守るべき企業の利益があるか
- 制限の期間(何年間か)
- 制限の地域的範囲(どの範囲か)
- 制限される職種の範囲
- 代償措置があるか(手当の支給など)
- 従業員の地位(誰にでも一律に課しているか)
期間が長すぎる、範囲が広すぎる、代償がまったくない、といった場合は無効と判断されることがあります。
判断に迷う場合は、書面を持って弁護士または総合労働相談コーナーに相談してください。
顧客情報は持ち出せない
顧客の氏名・連絡先・施術履歴は、サロンが保有する個人情報です。退職時に持ち出すと、就業規則違反や個人情報保護上の問題になります。
- 顧客カルテ、顧客リストの写しを持ち出さない
- 予約システムのデータを控えない
- 自分のスマートフォンに保存した顧客の連絡先を整理する
「自分が担当してきたお客様だから」という感覚があっても、業務として得た情報はサロンの管理下にあります。
顧客への連絡
退職の挨拶をしたい場合、まずサロンの方針を確認してください。勝手に連絡すると問題になります。
サロンが認める場合でも、次のような線引きが求められるのが通常です。
- 退職することと、後任の担当者を伝える
- 転職先や独立先を営業目的で伝えない
SNSでつながっている場合
個人のSNSで顧客とつながっていることがあります。業務を通じて知り合った相手に、退職後に営業の連絡をすることは、競業避止や顧客の奪取をめぐる争いの原因になります。
判断に迷う場合は、退職前にサロンと話し合い、どこまでなら問題ないかを書面やメールで確認しておいてください。
独立を考える場合
- 競業避止の条項の有無と内容を確認する
- 顧客情報を持ち出さない
- 開業に必要な届出を確認する(まつげエクステを扱うなら美容所の届出が必要)
準備は在職中に情報収集だけにとどめ、実際の営業活動は退職後に行うのが安全です。