先日のヒヤリハットが頭から離れない。ハンドルを握る手が、微かに震えている。そんな状態でトラックを運転している――あなたがこう感じているなら、それは無視してはいけない警告信号です。
運転への恐怖は「危険察知能力」の表れ
運転中に不安を感じることは、必ずしも悪いことではありません。危険を察知する能力は、事故を防ぐための重要な感覚です。
しかし、その不安が過度になり、集中力を奪っているなら話は別です。
恐怖で手が震え、ハンドルがぶれる――そうした状態での運転は、むしろ事故のリスクを高めてしまいます。
疲労と事故リスクの関係
長時間運転の危険性 厚生労働省の調査では、運転中の眠気による事故リスクは、酔運転と同程度と指摘されています。
連続8時間以上の運転、睡眠不足による運転は、反応速度を大幅に低下させます。「まだ大丈夫」と思っている状態でも、脳は疲労困憊しているかもしれません。
居眠り運転の恐怖 自分では「眠くない」と思っていても、瞬間的に意識が途切れる瞬間睡眠(マイクロスリープ)が発生します。その間、ハンドル操作ができず、事故につながります。
2024年4月からのトラックドライバーの時間外労働規制
建設業に続き、トラックドライバーの働き方改革が実行されました。
- 月平均60時間以下
- 繰越を含めた年間960時間以下
この規制は理想的ですが、すべての運送会社がそれに対応しているわけではありません。「規制の抜け穴」を使って、ドライバーに長時間労働を強いる企業もまだ存在します。
あなたが恐怖を感じているなら
それは限界のサインです。
事故を起こしてからでは取り返しがつきません。自分の心身の状態と向き合い、今のあなたが安全な運転をできる状態にあるのか冷静に判断してください。
退職の判断基準
以下のいずれかに当てはまる場合は、退職を検討する必要があります。
- 運転中に恐怖心で手が震える
- ハンドルを握ることに強い不安がある
- 睡眠が十分に取れていない
- 運転に集中できない
- 最近のヒヤリハットが頭から離れない
- 体調不良が続いている
改善の余地があるか確認する
まず、現在の勤務状況に改善の余地があるか確認しましょう。
- 現営業所での勤務体制の変更を求められるか
- 日勤のみの業務への転換が可能か
- 短距離配送への異動が可能か
改善の可能性がなければ、退職は十分に正当な判断です。
運転免許を活かした転職先
ドライバー経験があれば、以下の職種への転職が可能です。
日勤のみの運転職 - 送迎ドライバー(保育園、福祉施設、ホテル等) - 自治体の公用車運転手 - スクールバス運転手 - 営業車運転(営業職兼務)
物流業界の他職種 - 倉庫管理・フォークリフト作業 - 配車・配送管理 - 物流企画 - 輸送品質管理
最後に
長距離ドライバーの仕事は、社会を支える重要な役割です。しかし、その仕事に従事するあなたの命が最優先です。
恐怖を感じながら、無理をして運転し続ければ、いずれ重大な事故につながるでしょう。「自分の限界」に気づき、行動することは、自分の人生を守ることであり、他の誰かの生命を守ることでもあります。
あなたが元気でいることが、一番大切です。