勤務条件について声を上げたいとき、消防職員は他の地方公務員と立場が異なります。
地方公務員法52条5項
警察職員及び消防職員は、職員の勤務条件の維持改善を図ることを目的とし、かつ、地方公共団体の当局と交渉する団体を結成し、又はこれに加入してはならない。
一般の地方公務員は職員団体を結成できますが(同条3項)、消防職員は結成も加入もできません。これが「消防に労働組合がない」と言われる根拠です。
出典: 地方公務員法52条5項
代わりに置かれている消防職員委員会
消防組織法17条1項は、消防本部に消防職員委員会を置くことを定めています。
次に掲げる事項に関して消防職員から提出された意見を審議させ、その結果に基づき消防長に対して意見を述べさせ、もつて消防事務の円滑な運営に資するため、消防本部に消防職員委員会を置く。
一 消防職員の給与、勤務時間その他の勤務条件及び厚生福利に関すること。
二 消防職員の職務遂行上必要な被服及び装備品に関すること。
三 消防の用に供する設備、機械器具その他の施設に関すること。
出典: 消防組織法17条1項
委員会に意見を出すという選択肢
勤務条件や装備、施設について問題を感じている場合、辞める前に消防職員委員会へ意見を提出する道があります。
委員会は提出された意見を審議し、その結果に基づいて消防長に意見を述べる仕組みです。個人で直接交渉するのとは異なる経路が用意されています。
提出の方法や時期は消防本部ごとに定められています。所属の担当に確認してください。
それでも解決しないとき
委員会は意見を述べる機関であり、当局と交渉して合意を結ぶ団体ではありません。限界もあります。
勤務条件について不服がある場合、地方公務員には人事委員会または公平委員会に対する勤務条件に関する措置の要求という制度があります。制度の利用方法は、勤務先の自治体の人事委員会(または公平委員会)に確認してください。
ハラスメントの相談
勤務条件の問題とは別に、ハラスメントについては相談窓口が設けられているのが通常です。
- 所属の相談窓口
- 市町村の人事担当部門
- 各都道府県の人事委員会・公平委員会
記録を残してください。日時、場所、発言や行為の内容、その場にいた人をメモしておきます。自分が当事者である会話の録音は違法ではありません。
辞める判断をする前に
「組合がないから何も変わらない」と考えて即断する前に、委員会や措置要求といった経路があることは知っておいてください。ただし、体調を損なっている場合は制度の検討より受診が優先です。