消防士の退職では「辞職願」が正式な書類名です。
なぜ「辞職願」なのか
公務員の退職は法律上「辞職」と呼ばれ、任命権者の承認によって効力が生じます。一方的に届け出て終わりという性質ではないため、「願」の形をとります。
民間企業で使われる「退職届」でも実務上は受理されることが多いですが、迷う場合は所属の人事担当に様式を確認してください。消防本部ごとに様式が定められていることがあります。
宛名
消防組織法15条1項により、消防長以外の消防職員は市町村長の承認を得て消防長が任命します。したがって、任命権者である消防長宛にするのが基本です。
ただし、所属によっては消防署長宛で運用していることもあります。様式が定められている場合はそれに従ってください。
出典: 消防組織法15条1項
記載する内容
- 表題(辞職願)
- 本文(辞職の意思と希望する退職日)
- 提出日
- 所属、階級、氏名
- 宛名
理由は「一身上の都合により」で足ります。具体的な事情を書く必要はありません。
例文
辞職願
私事
このたび、一身上の都合により、令和○年○月○日をもちまして辞職いたしたく、ここにお願い申し上げます。
令和○年○月○日
○○消防署 警防課
消防士長 氏名 印
○○市消防本部
消防長 ○○○○ 殿
体調が理由の場合
「一身上の都合により」で問題ありませんが、休職や療養の相談を並行して行う場合は、診断書を添えると話が進みやすくなります。
提出の流れ
- 1 直属の上司に口頭で意思を伝える
- 2 人事担当と退職日・手続きを確認する
- 3 辞職願を提出する(所属の系統を通じて)
- 4 発令を待つ
- 5 貸与品の返納、書類の受け取り
いきなり消防本部に郵送するのではなく、所属の系統に従って提出してください。
用紙と封筒
- 白无地の便箋(B5またはA4)
- 黒のペンで縦書き
- 白无地の封筒(B5なら長形4号、A4なら長形3号)
- 封筒の表に「辞職願」、裏の左下に所属・階級・氏名
手渡しの場合、封はしないのが一般的です。
控えを残す
提出前に、内容をコピーまたは撮影して控えを残してください。提出した日付も記録しておきます。