公務員が転職を考えるとき、在職中に活動するか、辞めてから探すかで迷う人がいます。ただ、公務員の場合は在職中に動くほうが有利な要素が多くあります。
在職中に動くほうがよい理由
失業給付がない
公務員は雇用保険の適用除外とされているため、退職後に基本手当(失業手当)を受け取ることができません。民間から民間への転職と違い、無収入の期間を給付で埋めることができません。
退職手当の制度には失業者の退職手当という仕組みがありますが、要件があり、誰でも受け取れるものではありません。
この一点だけでも、収入の途切れる期間を作らない進め方に合理性があります。
断れる
在職中なら、条件の合わない求人を見送っても生活は変わりません。辞めてから探すと、「そろそろ決めないと」という圧力が判断に混ざります。
官舎の問題
官舎に住んでいる場合、退職すると退去する必要があります。次の住居と転職先を同時に探すことになるため、負担が大きくなります。
職務専念義務との関係
「勤務時間中でなければ転職活動をしてよいのか」という点は、多くの人が気にするところです。
職務専念義務は、勤務時間中に職務に専念する義務です。勤務時間外や年次休暇を取得した日の活動は、この義務の対象になりません。
ただし、次の点は注意してください。
- 勤務時間中に応募や面接をしない(年次休暇を取得する)
- 職場の設備を使わない(公用のパソコン、メールアドレス、電話)
- 職務上知り得た情報を活動に使わない
再就職の規制は先に確認する
国家公務員には、在職中に利害関係のある企業等へ求職活動を行うことに関する規制があります。地方公務員についても、自治体が条例や規則で定めている場合があります。
まず、応募しようとしている企業が自分の職務と利害関係にあるかを確認してください。まったく関係のない業界であれば、通常の転職活動と同じように進められるのが基本です。判断に迷う場合は人事担当部署に相談してください。
面接日程をどう作るか
在職中の活動で最も難しいのが、面接の時間の確保です。
- 年次休暇を使う(理由の説明は不要です。私用と伝えれば足ります)
- 時間単位や半日単位の休暇が使えるか確認する
- 応募先に、平日夕方や土曜の面接が可能か聞く(対応する企業もあります)
- オンライン面接が可能か聞く
年度末や繁忙期は休暇を取りにくいため、閑散期に面接が集中するよう応募のタイミングを調整するという方法もあります。
職場に知られないために
情報が漏れると、引き止めや配置の変更が先に動くことがあります。
- 職場のパソコンやメールアドレスを使わない
- 職場で転職の話をしない(同僚に相談しない)
- 休暇の理由を詳しく説明しない
- 転職サイトの設定で、現在の勤務先に情報が表示されないようにする
内定が出て、入社日が確定してから伝えるのが基本の順番です。口頭の内定だけで職場に伝えると、取り消しがあった場合に戻れなくなります。
進め方の順番
- 1 応募先が再就職の規制に関わるかを確認する
- 2 職務経歴書を作る(行政用語を民間の表現に言い換える)
- 3 求人に応募する(勤務時間外に行う)
- 4 年次休暇を使って面接を受ける
- 5 内定を書面で受け取り、入社日を確定する
- 6 退職日を決める(退職手当の勤続年数、期末手当の基準日、年次休暇の残日数を確認)
- 7 所属長に伝え、辞職願を提出する
注意
公務員の辞職は任命権者の承認によって効力が生じるとされています。民間の2週間ルールとは異なるため、内定先の入社日には余裕を持たせてください。年度途中の場合はとくに調整に時間がかかります。