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傷病手当金の申請書の書き方

傷病手当金は、申請書を出せば自動的に振り込まれるものではありません。 記入もれや記入誤りがあると申請書が郵送で返送され(返戻)、その分だけ入金が遅れます。 働けない期間の生活費として受け取るものなので、一度で通すことが実質的に一番の近道です。

このページは協会けんぽ(全国健康保険協会)の「傷病手当金」と、協会けんぽ北海道支部が公表している「傷病手当金について(令和8年3月13日)」の返戻事例に基づいています。健康保険組合に加入している場合は様式や取り扱いが異なることがあるため、 加入している組合の案内も確認してください。

申請書は4ページ、書く人が3者に分かれる

健康保険傷病手当金支給申請書は4ページで構成されていて、それぞれ記入する人が違います。 自分ひとりで完結しないため、医師と会社に依頼する時間を見込んでおく必要があります

  • 1ページ目・2ページ目:被保険者記入用本人が書きます。氏名(カタカナ)、振込先口座、申請期間、傷病名、傷病の原因など
  • 3ページ目:事業主記入用会社が書きます。申請期間内の出勤状況と、支払った報酬の内訳の証明
  • 4ページ目:療養担当者記入用医師などが書きます。労務不能と認めた期間の証明

提出先は加入している協会けんぽの支部です。協会けんぽは、申請書に不備等がない場合は支部に申請書が到着した日から2週間程度で支給されるとしています。

1〜2ページ目(本人)でつまずきやすいところ

  • 氏名はカタカナで書く。口座名義と一致させる記入した氏名がそのまま振込先の口座名義として扱われます。口座名義が氏名と違う場合は書類の添付が必要で、 外国籍の方は預金通帳の写し、旧姓の口座に振り込んでほしい場合は運転免許証の写しなど氏名の変更が確認できる書類と 預金通帳の写し(「旧姓口座に振込希望」と明記)を添えます
  • 公金受取口座を使うかどうかで、書く欄が変わる「1. 希望する」と書いた場合は振込先情報の記入は不要、「2. 希望しない」と書いた場合は振込先情報の記入が必要です。 なお「希望する」と書いてもマイナポータルで公金受取口座を登録していないと情報を取得できず、返戻の原因になります
  • マイナンバーを書いたら本人確認書類を添える添付がないと返戻されます
  • 申請期間(療養のため休んだ期間)は必ず書く
  • 傷病名は必ず書く4ページ目の療養担当者記入用と同じ傷病名にします
  • 傷病の原因は必ず書く。業務外なら「1」協会けんぽが「誤記入が多い箇所」として名指ししている欄です。 労災や通勤災害を請求中の場合でも申請自体はできますが、その場合は「2」を記入して労働基準監督署名も書きます。 ただし労災が認定された場合は傷病手当金を返納することになります
  • 交通事故やケンカなど第三者の行為によるケガは、別の届も出す「第三者行為による傷病届」を併せて提出します
  • 確認事項の報酬欄を空欄にしない記入もれは返戻になります。事業主証明の賃金状況欄に賃金の支給証明があるのに、 本人の記入が「賃金支給あり」でなかったり空欄だったりすると、内容の確認が必要になって差し戻されます

3ページ目(会社)の報酬欄が最大の関門

事業主記入用のページは、「休んだ日に対して支払われたお金があるか」を証明するものです。 ここに書かれた報酬は傷病手当金から差し引かれるため、書き方のルールが細かく決まっています。

記入するもの・しないもの

  • 出勤していない日に報酬の支払がなければ、報酬欄は記入不要基本給や諸手当をすべて欠勤控除している場合も記入不要です。0円と書く必要もありません
  • 出勤(早退を含む)に対して支払った報酬は記入しない時間給や歩合給、時間外手当など実働分だけの支給や、一時金のみの場合も記入不要です
  • 家族手当のように休んだ日にも満額支給される手当は記入する給与の締日に合わせて書きます。たとえば20日締めなら「12/21〜1/20 5,000円」「1/21〜2/20 5,000円」と2段に分けます
  • 有給休暇は対象期間と金額を記入する連続していない場合は期間を区切って欄を分けます
  • 通勤手当は、実費分のみの支給なら記入不要休んだ日に対して支給されていないためです。 一方、定期代のように過去に支払ったものでも、申請期間が一部でも含まれる手当はすべて記入します。 定期代を本人から返金してもらう場合は支給がなかったものとして扱うため記入不要です

出勤状況の書き方

  • 年月欄は、出勤や給与の支給がなくても必ず記入する申請期間に対応する年月を書きます。申請期間が令和8年1月16日〜2月15日なら「令和08年01月」「02月」の2つです
  • 申請期間が4か月以上になる場合は、事業主証明を複数枚添付する
  • 出勤した日には「〇」を書く待期期間の初日が早退だった場合だけ「早」と書きます。それ以外は記入不要で、 旧様式にあった「/」「公」「△」といった記号は使いません
  • 事業主欄と証明日は必ず記入する

退職後だけの期間なら事業主証明は要らない

申請期間が退職日以前の期間を含まない場合、3ページ目(事業主記入用)の添付は不要です。 退職をまたぐ期間をまとめて申請すると会社に証明を依頼することになるため、退職日で申請期間を区切ると、退職後の分は会社を介さずに申請できます

4ページ目(医師)は証明日の日付に注意

療養担当者記入用のページで最も返戻が多いのが日付です。証明年月日は、労務不能と認めた期間の最終日以降の日付でなければなりません

労務不能と認めた期間が令和8年1月16日〜2月15日なら、証明年月日は令和8年2月15日以降でなければならず、 令和8年2月14日以前の日付だと返送される場合があります。 まだ終わっていない期間を先に証明することはできない、という考え方です。

患者氏名はカタカナで記入します。本人が依頼した内容と証明の内容が食い違っている場合は、 提出前に療養担当者に相談してください。

申請の期限は2年

健康保険法193条は「保険給付を受ける権利は、これらを行使することができる時から二年を経過したときは、時効によって消滅する」と定めています (健康保険法/e-Gov法令検索)。

傷病手当金は労務不能だった日ごとに請求権が生じるため、休んだ日の翌日から2年で1日分ずつ時効になっていきます。 まとめて申請しようと後回しにしていると、古い日から順に受け取れなくなります。 体調が落ち着かないうちは1か月ごとなど短い期間で区切って申請していくほうが確実です。

電子申請なら記入もれのチェックが入る

協会けんぽは令和8年1月13日から電子申請サービスを開始しました。 傷病手当金支給申請書も対象です。印刷や郵送の手間が省けるほか、 申請前の入力チェックで記入もれを防げること、申請後の処理状況を確認できることが利点として挙げられています。

  • マイナンバーカードが必要被保険者・被扶養者はマイナンバーカードで本人確認を行うため、カードを持っていることが前提です
  • 利用できるのは平日8時〜21時土日祝日と年末年始(12月29日〜1月3日)を除きます
  • 事業主や健康保険委員が本人の代理で申請することはできない社会保険労務士は委任状があれば代理申請ができます
  • 医師証明・事業主証明は画像でアップロードする申請情報はすべてWeb上で入力し、証明書類は電子ファイルを添付します
  • 審査状況を画面で確認できる「受付」「審査中」「審査完了」「返戻」の進捗が表示されます。返戻の場合は理由が電子で返され、郵送でも通知されます

申請する前に、いくら受け取れるか確認しておく

標準報酬月額から1日あたりの金額と支給期間を計算できます。休業中に手当が支払われる場合の差額も出せます。

傷病手当金を計算する

よくある質問

傷病手当金の申請書はいつ提出すればよいですか?

病気やケガで4日以上(待期期間を含む)仕事に就けなかったときに、事業主と療養担当者(医師など)の証明を受けて提出します。申請期間はまとめて申請することも、1か月ごとに区切って申請することもできます。ただし保険給付を受ける権利は行使できる時から2年で時効消滅するため(健康保険法193条)、休んだ日ごとにその翌日から2年以内に申請する必要があります。

傷病手当金はいつ振り込まれますか?

協会けんぽは、申請書に不備等がない場合、支部に申請書が到着した日(受付日)から2週間程度で支給されるとしています。不備があった場合は郵送で申請書が返送されるため、その分だけ入金が遅れます。記入もれのチェックや郵送の時間を省ける電子申請も用意されています。

申請書が返戻される(差し戻される)のはどんなときですか?

協会けんぽが挙げている代表的な例は、確認事項の報酬欄の記入もれ、被保険者記入用の申請期間・傷病名・傷病の原因の記入もれ、口座名義と氏名の相違、マイナンバーを記入したのに本人確認書類が添付されていないこと、療養担当者の証明年月日が労務不能と認めた期間より前の日付になっていることなどです。事業主証明の賃金支給の記載と被保険者の申告が食い違っている場合も確認が必要になり返戻されます。

退職後に申請する場合も事業主の証明は必要ですか?

申請期間が退職日以前の期間を含まない場合は、事業主記入用のページの添付は不要です。逆に、申請期間に在職中の日が1日でも含まれるなら事業主証明が必要になります。退職をまたぐ期間をまとめて申請すると事業主証明が要るため、退職日で申請期間を区切ると手続きが簡単になります。

傷病手当金は電子申請できますか?

協会けんぽは令和8年1月13日から電子申請サービスを開始しています。傷病手当金支給申請書も対象です。利用にはマイナンバーカードが必要で、利用可能時間は平日8時から21時まで(土日祝日と年末年始を除く)。事業主や健康保険委員が加入者本人の申請を代理で行うことはできませんが、社会保険労務士は委任状があれば代理申請できます。

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