インタビュー対象者プロフィール
- 名前: 藤田 雄一さん(仮名)
- 年齢: 34歳
- 経験年数: 施設警備員歴8年
- 勤務先: 大手警備会社(商業施設の常駐警備)
- 現在: 退職後3か月の療養を経て、コールセンターでオペレーターとして勤務
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Q: 体調を崩したきっかけを教えてください。
商業施設の施設警備を8年間担当していました。24時間勤務(当務)が月に10〜12回あり、夜間は仮眠時間が設定されていますが、実際には巡回や監視で十分に眠れないことが多かったです。6年目くらいから、当務明けの日に激しい頭痛が出るようになりました。最初は「疲れだろう」と思って市販の鎮痛剤でしのいでいました。
Q: 症状はどのように悪化しましたか?
頭痛に加えて、めまいと耳鳴りが出始めました。巡回中に足がふらつくことも増えました。それでも「人手不足だから休めない」と思い、頭痛薬を飲みながら勤務を続けていました。7年目に立ち仕事(受付警備で8時間立ちっぱなし)の現場に異動になり、今度は膝と腰に痛みが出始めました。整形外科で「変形性膝関節症の初期症状」と診断されました。
Q: 会社に体調の相談はしましたか?
隊長に「夜勤を減らしてほしい」と相談しましたが、「みんな同じ条件でやっている」「夜勤手当がないと給与が下がるぞ」と言われ、シフトは変わりませんでした。本社の人事部にも電話しましたが、「現場の隊長と相談してくれ」と言われるだけでした。
Q: 退職を決断した決定的なきっかけは?
当務中に激しいめまいで倒れたんです。商業施設の防災センターで意識がもうろうとして、同僚が救急車を呼んでくれました。病院で検査した結果、「自律神経失調症」と「起立性低血圧」と診断されました。医師から「夜勤と立ち仕事を続けるのは危険」と言われ、診断書を出してもらいました。
Q: 退職届の提出から退職までの流れを教えてください。
診断書と退職届を一緒に隊長に提出しました。隊長は「休職してから考えたら?」と言ってくれましたが、休職しても復帰後に同じシフトが待っていることを考えると、退職する方が良いと判断しました。退職届は本社の人事部宛にも郵送しました。退職日は1か月後に設定し、その間は有給休暇の消化に充てました。実質的には退職届を出した翌日から出勤していません。
Q: 退職後の療養期間はどのように過ごしましたか?
3か月間、とにかく規則正しい生活を心がけました。夜12時までに寝て、朝7時に起きる。これが一番の薬でした。夜勤のある生活では体内時計が狂っていたんです。整形外科のリハビリにも通い、膝と腰の痛みは徐々に改善しました。完全に回復したわけではありませんが、日常生活に支障がないレベルまで戻りました。
Q: 転職先はどのように選びましたか?
「夜勤なし」「立ち仕事なし」を最優先条件にしました。コールセンターのオペレーター職を選んだのは、座って働けること、日勤のみのシフトがあること、そして警備員時代に培った丁寧な対応スキルが活かせると思ったからです。年収は警備員時代の約330万円から約300万円に下がりましたが、夜勤手当がなくなった分と考えれば納得できる範囲です。
Q: 体調不良で退職を考えている警備員にアドバイスをお願いします。
夜勤と立ち仕事は、長年続けると確実に体に影響が出ます。「体が丈夫だから大丈夫」と思っていても、40代・50代になってから一気に症状が出ることもあります。体に異変を感じたら、早めに受診して記録を残してください。夜勤中の体調不良は労災に該当する可能性もあるので、発症の状況を詳しく記録しておくことが重要です。退職を決断したら、有給休暇が残っている場合は全て消化してください。警備会社は「有給を使わせない」傾向がありますが、有給取得は法律で保障された権利です。