インタビュー対象者プロフィール
- 名前: 岡田 直樹さん(仮名)
- 年齢: 32歳
- 経験年数: 施設警備員歴6年
- 勤務先: 大手警備会社(オフィスビルの常駐警備)
- 現在: 施設管理会社のビルマネジメント部門勤務
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Q: 警備員になったきっかけを教えてください。
大学卒業後、就職氷河期の尾を引いていた時期で、なかなか希望の職種に就けませんでした。「とりあえず」のつもりで大手警備会社に入社しました。配属先はオフィスビルの施設警備で、入退館管理・巡回・防災センターでの監視業務が主な仕事でした。最初は「つなぎのつもり」でしたが、防災や設備の知識が面白くなり、気がつけば6年経っていました。
Q: 6年間でどのようなスキル・資格を取得しましたか?
施設警備業務検定2級、防災センター要員講習、自衛消防技術認定、そして施設警備業務検定1級を取得しました。さらに、ビルの設備に関わる機会が多かったので、独学で第二種電気工事士とビル管理士(建築物環境衛生管理技術者)の資格も取りました。これらの資格が、後の転職で大きな武器になりました。
Q: 転職を考え始めた理由は何ですか?
大きく2つあります。1つは給与の問題です。警備員は資格手当があるものの、基本給の上昇幅が小さく、6年目でも年収が約320万円でした。もう1つは、「巡回・監視・出入管理」という業務の繰り返しに、成長の限界を感じたことです。ビルの設備や管理にもっと深く関わりたいと思うようになりました。
Q: 転職活動はどのように進めましたか?
転職サイトに登録して、施設管理・ビルメンテナンス系の求人を探しました。警備員時代に取得したビル管理士の資格が非常に評価されました。面接では「警備員として現場を見てきた経験があるので、設備トラブルの初期対応ができる」とアピールしました。施設管理会社3社から内定をもらい、最も条件の良い会社を選びました。
Q: 退職を上司に伝えた時の反応は?
隊長(現場の責任者)に退職の意思を伝えたところ、「資格も持っているし、うちでも隊長を目指せるのに」と引き留められました。本社の人事にも呼ばれ、「別の現場に異動させることもできる」と言われました。しかし、異動しても業務内容は大きく変わらないので、丁重にお断りしました。退職届は本社の人事部宛に提出しました。
Q: 引き継ぎで苦労した点はありますか?
施設警備は24時間シフト制なので、引き継ぎ相手のシフトに合わせて説明する必要がありました。特に、担当ビルの設備配置や避難経路、テナント企業ごとの対応ルールなど、マニュアルに載っていない暗黙知が多く、それを文書化するのに時間がかかりました。退職日の1か月前から引き継ぎ資料の作成を始め、後任と一緒にシフトに入りながら引き継ぎました。
Q: 転職後の年収や待遇の変化を教えてください。
年収は約320万円から約430万円に上がりました。施設管理会社ではビル管理士の資格手当が大きく、また基本給のベースも警備会社より高いです。勤務時間も日勤中心になり、夜勤は月に2〜3回程度に減りました。警備員時代は24時間勤務(仮眠あり)が月に10回程度あったので、体の負担は大幅に軽減しました。
Q: 警備員からのキャリアアップを考えている方にアドバイスをお願いします。
警備員の仕事は「キャリアの行き止まり」と思われがちですが、資格を取ることで選択肢は大きく広がります。特にビル管理士や電気工事士の資格は、施設管理・ビルメンテナンス業界で高く評価されます。警備の現場にいる間に設備や防災の知識を積極的に吸収し、資格取得を目指してください。転職活動は在職中に始め、シフトの合間を使って面接を受けるのがおすすめです。退職届は退職希望日の1か月前には提出し、シフト調整に配慮しましょう。