# 管理職のパワハラに耐えかねて退職|小学校教員7年目の決断
インタビュー対象者プロフィール
- 名前: 佐藤 美咲さん(仮名)
- 年齢: 31歳
- 経験年数: 公立小学校教員 7年
- 勤務先: 公立小学校
- 退職後: 教育系NPO法人に転職
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Q: どのようなパワハラを受けていたのですか?
4校目に異動した年からです。新しい校長が着任して、職員室の雰囲気が一変しました。その校長は自分のやり方に従わない教員を徹底的に追い込むタイプで、私は着任早々に目をつけられました。
具体的には、職員会議で私の授業方法を名指しで批判される、些細なミスを全職員の前で叱責される、私だけ校務分掌を過剰に割り当てられる、などです。最もつらかったのは、保護者からのクレーム対応を全て私に押し付けられたことです。本来は管理職が対応すべき案件でも「あなたの指導が悪いんだから自分で解決しなさい」と突き放されました。
Q: 周囲の反応はどうでしたか?
同僚の先生方は同情してくれましたが、誰も校長に異を唱えることはできませんでした。みんな自分が次のターゲットになることを恐れていたんだと思います。教頭に相談しましたが、「校長の方針だから」としか言ってもらえませんでした。
学年主任の先生だけは親身になってくれて、「教育委員会に相談したほうがいい」とアドバイスをくれました。
Q: 教育委員会には相談しましたか?
はい、勤務から半年後に教育委員会の人事担当に電話しました。ただ、結果は期待外れでした。「校長の指導方法については学校運営上の判断」「具体的な証拠がないと対応が難しい」という回答で、事実上の門前払いでした。
その後、教職員組合にも相談しました。組合のほうが具体的なアドバイスをくれて、パワハラの記録をつけることを勧められました。日時、場所、発言内容、目撃者を毎回メモに残すようにしました。この記録は後々とても役に立ちました。
Q: 退職を決断したきっかけは何でしたか?
決定的だったのは、6年生を担任していた2学期のことです。学芸会の準備で忙しい時期に、校長から突然「あなたの学級経営に問題がある。保護者アンケートの結果を全職員に公開する」と言われたんです。実際にはアンケート結果は平均的だったのに、一部の低い評価だけを抜き出して会議で発表されました。
その夜、帰宅してから涙が止まらなくなって、翌朝ベッドから起き上がれなくなりました。「このまま続けたら壊れる」と思いました。
Q: 退職の手続きはどのように進めましたか?
まず、年度末まで持つかどうかが問題でした。教員は年度途中の退職が子どもたちに影響するので、3月末まで頑張ることにしました。
12月に校長に直接「3月末で退職します」と伝えました。辞職願は教育委員会宛てに提出する形式で、理由は「一身上の都合」としました。校長は「辞めてどうするの?」と嫌味を言ってきましたが、もう気にしませんでした。
ポイントとして、退職の意思表示は口頭だけでなく、必ず書面で残してください。私は辞職願のコピーを手元に保管し、提出日を記録しておきました。
Q: 退職時にパワハラの件はどう扱いましたか?
退職後に、組合を通じて教育委員会にパワハラの記録を正式に提出しました。在職中は報復が怖くてできなかったことです。直接的な処分には至りませんでしたが、記録は人事ファイルに残ると聞いています。
同じ状況にいる先生方に言いたいのは、証拠の記録は絶対に残しておくべきだということです。メールのスクリーンショット、録音(自治体の規則を確認の上)、メモ、目撃者の証言など、できる限り集めておいてください。
Q: 退職後の生活と、今の心境を教えてください。
退職後は教育系のNPO法人に転職して、不登校の子どもたちの学習支援をしています。年収は下がりましたが、精神的な健康を取り戻せたことが何よりも大きいです。
パワハラを受けていた時期は、毎朝出勤前に吐き気がして、休日も月曜日のことを考えると気分が沈んでいました。今はそういった症状は一切ありません。
教員を辞めること自体は決して逃げではありません。自分の健康と人生を守るための選択です。もし同じような状況にいる方がいたら、一人で抱え込まず、組合や外部の相談窓口に助けを求めてください。教員の経験は教育の現場以外でも必ず活きます。