# 教員の将来性に不安を感じて転職|小学校教員8年目の本音

インタビュー対象者プロフィール

  • 名前: 渡辺 大輔さん(仮名)
  • 年齢: 32歳
  • 経験年数: 公立小学校教員 8年
  • 勤務先: 公立小学校
  • 転職先: 教育系IT企業(EdTech)の企画職

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Q: 教員の待遇や将来性に不安を感じ始めたのはいつ頃ですか?

5年目くらいからです。大学の同期と久しぶりに会った時に、民間企業に就職した友人との年収差を実感しました。教員5年目で年収は約420万円。同い年のIT企業勤務の友人は600万円超えていました。

教員の給与体系は年功序列で、若いうちはどんなに頑張っても大きくは上がりません。管理職にならない限り、50代でようやく年収700万円程度。しかも部活動の顧問や休日出勤の実態を考えると、時給換算では相当低いと感じていました。

Q: 教員の将来性という点では、どのような不安がありましたか?

少子化で児童数が減り続けている現実があります。私が勤務していた学校も、毎年クラス数が減っていました。教員の定数も当然減ります。正規採用は維持されていますが、将来的には教員の余剰が出るのではないかという不安がありました。

もう一つは、教育のIT化への対応です。GIGAスクール構想でタブレットが配布されましたが、正直、学校のIT対応は遅れています。AIが進化する中で、従来型の一斉授業を続けていて大丈夫なのかという疑問がありました。自分自身がIT教育のスキルを身につけなければ、将来取り残されるのではないかと焦っていました。

Q: 教員から民間企業への転職は難しくなかったですか?

正直、かなり苦労しました。教員の経験を評価してくれる企業は限られています。最初に大手の転職エージェントに登録した時は、「教員からの転職は厳しいですよ」と言われました。

転機になったのは、個人的にプログラミングを勉強していたことです。授業でタブレットを使う中で、自然とITに興味を持ち、独学でPythonやWebの基礎を学んでいました。教育×ITの知見がある人材は、EdTech業界では重宝されるとわかり、ターゲットを絞って活動しました。

転職活動は約8ヶ月かかりました。5社に応募して、2社から内定をいただきました。

Q: 校長や同僚の反応はどうでしたか?

校長には1月に退職の意思を伝えました。「民間企業に転職します」と言ったら、かなり驚かれました。「もったいない、教員を続けなさい」と慰留されましたが、意思は固かったので丁重にお断りしました。

同僚の反応は二分されました。「思い切った決断だね、応援する」と言ってくれる人と、「教員を辞めるなんて理解できない」という人。特にベテランの先生方は後者が多かったです。でも、30代前半までなら転職の選択肢がある。40代になってからでは遅いという思いがありました。

Q: 退職の手続きで注意したことは?

辞職願は12月中に提出しました。自治体の規定で年度末退職の場合は1月末が期限でしたが、余裕を持って動きました。宛先は教育委員会で、形式は「辞職願」です。退職届ではなく辞職願を使うのが公務員としてのマナーだと言われました。

退職金は勤続8年で約150万円でした。これは民間企業と比べると少ない印象ですが、公務員の場合は退職手当として別途計算されます。退職前に共済組合で退職金の見込み額を確認しておくことをお勧めします。

また、教員免許の取り扱いについても確認しました。免許は退職しても有効です。将来的に教壇に戻る可能性があるなら、更新講習を受けておくと安心です(注: 免許更新制は2022年に廃止され、現在は研修記録制度に移行しています)。

Q: 転職後の待遇と働き方の変化を教えてください。

年収は約550万円にアップしました。EdTech企業で教育コンテンツの企画を担当しています。教員時代の授業設計の経験が、学習コンテンツの企画にそのまま活きています。

働き方は劇的に変わりました。フレックスタイムで、リモートワークも週3日。部活動の拘束も、保護者対応もありません。休日は完全に休めます。正直、教員時代の働き方は異常だったと改めて感じています。

Q: 教員を辞めてよかったと思いますか?

はい、間違いなく良かったと思います。ただし、教員の仕事そのものが嫌いだったわけではありません。子どもたちと接する時間は今でも恋しく感じます。

転職を考えている教員の方には、まず自分の市場価値を客観的に知ることをお勧めします。教員の経験は、教育業界、人材育成、営業(説明力・プレゼン力)など、意外な場面で評価されます。

退職届の書き方に迷ったら、このサイトのテンプレートを使ってください。教員の場合は宛先が教育委員会になるなど、一般企業と異なる点があるので注意が必要です。

一つだけ忠告すると、勢いで辞めないこと。転職先が決まってから退職の意思を伝えるのが鉄則です。教員からの転職は時間がかかるので、半年から1年のスパンで計画を立ててください。