自衛官がうつ病や適応障害で退職を検討する場合の判断基準と手続きを解説します。
自衛官のメンタルヘルス不調の現状
防衛省の調査によると、自衛官のメンタルヘルスによる休職者は年々増加傾向にあります。
発症しやすい背景
- 厳しい訓練による身体的・精神的消耗
- 閉鎖的な営内生活
- 上下関係の厳しさ(パワハラの温床になりやすい)
- 災害派遣による心理的外傷
- 転勤による家族との離別
- 「弱音を吐けない」文化
自衛隊の休職制度
病気休暇
- 期間:最大90日
- 給与:全額支給
- 診断書が必要
休職
- 期間:最大3年(病気の種類による)
- 給与:最初の1年は給与の約80%、その後は減額
- 自衛隊病院での定期的な診察が必要
休職か退職かの判断基準
休職を選ぶべきケース
- 環境を変えれば(部隊異動)回復の見込みがある
- 自衛官としてのキャリアを続けたい気持ちがある
- 医師から「休養すれば改善する」と言われている
- 退職後の生活設計ができていない
退職を選ぶべきケース
- 自衛隊の環境そのものが原因と医師が判断
- 復帰しても同じ環境で再発の可能性が高い
- 民間で新しいキャリアを築く意欲がある
- 家族のそばで生活する必要がある
退職願の書き方
「体調不良により業務の継続が困難となりましたので、令和○年○月○日をもちまして退職いたしたく、ここにお願い申し上げます。」
自衛隊病院の診断書を添付すると退職願の承認がスムーズになります。
退職後のメンタルケア
治療の継続
- 退職後も治療を中断しない
- 公務災害認定を受けていれば治療費は継続補償
- 民間の心療内科・精神科に転院する場合は紹介状をもらう
生活の安定
- 退職手当で当面の生活費を確保
- 国民健康保険または任意継続に加入
- 障害年金の受給要件を確認(重度の場合)
相談窓口
- 自衛隊病院の精神科
- 部隊のメンタルヘルスカウンセラー
- 地方協力本部
- こころの健康相談統一ダイヤル(0570-064-556)
- よりそいホットライン(0120-279-338)