- 名前:木村 翔太(仮名)
- 年齢:29歳
- 経験年数:6年
- 勤務先:営業会社(営業部門)
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Q: どのような人間関係のトラブルがありましたか?
営業部長のパワハラです。うちの会社は毎月の売上目標が個人に課せられていて、未達だと全体朝礼で名指しで詰められます。「お前のせいでチームの数字が下がってる」「やる気がないなら辞めろ」。こういう発言が日常でした。
4年目まではなんとか数字を作れていましたが、5年目に市況が悪化して未達が続いたとき、部長の攻撃が一気にエスカレート。個室に呼ばれて1時間以上説教されることもありました。「お前は営業に向いてない」「使えない」。人格否定のオンパレードです。
Q: 他の社員も同じ扱いを受けていましたか?
成績が悪い人間が順番にターゲットになる感じです。数字を上げれば攻撃は止みますが、次に成績が落ちた人がターゲットになる。常に誰かが詰められている状態。入社3年以内の離職率は7割を超えていたと思います。
先輩営業マンに相談しても「あれくらい耐えられないと営業は務まらない」と言われるだけ。社内に相談窓口はなく、人事部も部長の味方でした。
Q: 退職を決断したきっかけは何でしたか?
6年目のある月曜の朝、会社の最寄り駅に着いたのに足が動かなくなりました。電車から降りて、ホームのベンチに座ったまま30分。結局その日は会社を休みました。
翌日から無理やり出社しましたが、夜眠れなくなり、食欲もなくなった。妻に「顔色がおかしい」と言われて心療内科を受診したら、「うつ状態」と診断されました。
医師に「まず原因から離れることが治療の第一歩」と言われ、退職を決意しました。
Q: 退職届はどのように提出しましたか?
部長に直接渡すのは精神的に無理だったので、課長に相談して課長経由で退職届を提出しました。宛名は代表取締役社長。理由は「一身上の都合」です。
部長は「逃げるのか」と言ってきましたが、課長が間に入ってくれて、それ以上の接触はありませんでした。有給が25日残っていたので、最後の1ヶ月はほぼ有給消化。引き継ぎは課長と後輩に対してメールと電話で行いました。
顧客への挨拶は最低限。商談中の案件は進捗をまとめた資料を作成し、課長に引き継ぎました。
Q: 退職後はどうされましたか?
退職後2ヶ月は療養に充てました。心療内科に通いながら、睡眠と食事のリズムを整えることに専念。3ヶ月目から転職活動を始め、メーカーのルート営業に再就職しました。
今の会社はノルマはありますがチーム制で、個人を詰める文化はありません。年収は前職より50万ほど下がりましたが、精神的な健康はプライスレスです。
Q: パワハラで悩んでいる営業職の方にメッセージをお願いします。
「詰め」や「根性論」はパワハラです。営業だから仕方ない、なんてことは絶対にありません。体が限界信号を出しているなら、すぐに逃げてください。
退職届は「一身上の都合」で十分。パワハラの証拠(録音、メール、メモ)は保存しておくと、後から労基署や弁護士に相談するときに役立ちます。
営業の経験は他の業界でも評価されます。「この会社でしか通用しない」と思い込まないでください。