• 名前:高橋 大輔(仮名)
  • 年齢:30歳
  • 経験年数:7年
  • 勤務先:メーカー(法人営業部門)
  • 転職先:SaaS企業(インサイドセールス→フィールドセールス)

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Q: 退職を考え始めたきっかけを教えてください。

メーカーで法人営業を7年やってきて、仕事自体は嫌いではなかったんです。ただ、ルート営業が中心で、やることがパターン化していました。既存の取引先を回って、新商品を案内して、見積もりを出して、納品を手配する。これの繰り返し。

6年目の年収が480万。昇給ペースを見ると、課長になっても550万くらいが上限。一方で、大学の同期がIT業界でSaaS営業をしていて、年収700万超え。「同じ営業なのにこんなに差があるのか」と衝撃を受けました。

SaaS営業のことを調べるうちに、自分の法人営業の経験が活かせることがわかり、本格的に転職活動を始めました。

Q: 転職活動はどのように進めましたか?

転職エージェント2社と、ビズリーチに登録しました。SaaS企業は採用が活発で、経験者の法人営業は引き合いが強い。3社受けて2社から内定をもらいました。

最終的に選んだ会社は年収600万スタート(前職比+120万)で、インセンティブ込みなら800万も可能。面接は平日夜のオンラインが多く、在職中でも対応できました。

Q: 上司にはどのように退職を伝えましたか?

内定承諾後、まず直属の課長に会議室で伝えました。「IT業界に挑戦したい」という前向きな理由にしました。課長は「もったいない」と残念がりつつも、「若いうちにチャレンジするのは良いこと」と理解を示してくれました。

その後、部長面談。部長からは「年収を上げるから残ってくれ」と引き止められましたが、具体的な金額は提示されず、口約束レベル。丁重にお断りしました。

退職届は代表取締役社長宛て、「一身上の都合により」で提出。退職希望日の6週間前です。就業規則では1ヶ月前でしたが、引き継ぎを考えて少し余裕を持たせました。

Q: 顧客の引き継ぎはどう進めましたか?

これが営業職の退職で一番大変なところです。担当顧客が約80社。主要取引先30社には後任と一緒に挨拶回りをしました。

顧客リストに加え、各社の「クセ」をまとめた引き継ぎノートを作成しました。例えば「A建設の佐藤部長は午前中に電話すると機嫌がいい」「B工務店は見積もりを3パターン出すと決まりやすい」といった、数字に出ない情報。これが後任にはすごく感謝されました。

CRMのデータも漏れなく更新。商談中の案件は進捗状況を細かく記録して、引き継ぎミーティングで一件ずつ確認しました。

Q: 社用車や備品の返却はどうでしたか?

社用車は最終出勤日の3日前に返却。ガソリン満タン、洗車済み、ETCカード返却、ドラレコのデータ消去。車内に溜まっていたカタログや名刺も全部整理しました。

名刺は取引先からもらったものも含めて全て会社に返却。個人のスマホに入っていた顧客の連絡先も削除しました。これは就業規則に書いてあったので、コンプライアンス上必須です。

Q: これから転職を考えている営業職の方にアドバイスをお願いします。

営業のスキルは業界を超えて通用します。特に法人営業の経験がある人は、SaaSやコンサルなど高単価の業界に移ると年収が大幅に上がる可能性があります。

退職届を出す前に、必ず内定を確保すること。営業職は引き止めが強い傾向がありますが、「次が決まっている」と言えばスムーズに進みます。顧客の引き継ぎだけはしっかりやること。業界は意外と狭いので、円満退職しておくと将来のビジネスにもつながりますよ。