- 名前:松本 恵理(仮名)
- 年齢:28歳
- 経験年数:5年
- 勤務先:営業会社(個人営業部門)
- 転職先:人材紹介会社(キャリアアドバイザー)
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Q: 退職を考え始めた理由を教えてください。
営業職を5年やりました。最初の2年間は固定給がありましたが、3年目からはほぼフルコミッション。成績が良い月は手取り50万を超えますが、悪い月は20万を切ることもある。年収にすると400万前後で、安定とは程遠い生活でした。
何より、新規開拓のための飛び込み営業やテレアポが精神的にきつかった。親戚や友人への「義理契約」のお願いも限界がありましたし、知人の紹介が尽きた4年目あたりから数字を作るのが本当に苦しくなりました。
Q: 業界の将来性についてはどう感じていましたか?
ネット保険の台頭で、対面営業の存在意義が問われる時代になっています。若い世代はスマホで保険を比較して加入するのが当たり前。「保険のおばちゃん」的な営業スタイルは明らかに時代遅れです。
社内でも「DX推進」と言いつつ、結局は「足で稼げ」「人脈を広げろ」という根性論。5年後、10年後にこの仕事が存続しているのか不安でした。
同期入社は30人いましたが、5年目の時点で残っているのは8人。離職率の高さが業界の厳しさを物語っています。
Q: 転職先はどのように決めましたか?
営業スキルを活かしつつ、もっと安定した基盤のある仕事を探しました。保険営業で培った「人の話を聞く力」「課題をヒアリングして提案する力」は、人材紹介業と親和性が高いと感じました。
転職エージェント経由で人材紹介会社を紹介されて応募。面接では保険営業での実績と、顧客の人生設計に関わってきた経験をアピール。「人の人生に関わる仕事がしたい」という軸が一貫していたので、好印象だったようです。
年収は固定給ベースで450万。前職の不安定な400万と比べると、精神的な安心感が段違いです。
Q: 退職届の提出と退職の流れを教えてください。
内定をもらった翌週、所長に「お話があります」と面談を申し入れました。所長は「もったいない、お前なら成績は上がる」と30分以上引き止めてきましたが、「決意は変わりません」と明確に伝えました。
退職届は支社長宛て、理由は「一身上の都合により」。退職日は1ヶ月後に設定。保険業界は退職時のルールが厳しく、退職後2年間は同業他社での営業活動が制限される競業避止義務がありました(ただし異業種転職なので問題なし)。
Q: 顧客の引き継ぎで気をつけたことは?
保険営業の引き継ぎは特殊です。自分が契約をお預かりしているお客様の情報を後任に引き継ぐ必要がありますが、個人情報の取り扱いが厳格。社内のシステムに全て記録されているので、データ上の引き継ぎは問題ありませんでした。
ただ、長年お付き合いのあるお客様には電話で「担当が変わります」と直接お伝えしました。「松本さんだから契約したのに」と言ってくださる方もいて、ありがたい反面、申し訳なさもありました。
保険証券の控えや個人情報が含まれる資料は全て会社に返却。自分のスマホに残っていた顧客連絡先も全て削除しました。
Q: 待遇や将来性に不安を感じている営業職の方にアドバイスをお願いします。
フルコミッションや歩合給の営業は、若いうちは体力で稼げますが、年齢とともに厳しくなります。「今のうちに動く」のが正解です。
営業経験は最強のポータブルスキル。保険営業で5年やれた人は、どの業界に行っても通用します。特にヒアリング力と提案力は、人材・コンサル・SaaSなど多くの業界で求められます。
退職届は内定確保後に出すこと。引き止めにはブレずに対応すること。この2つを守れば、スムーズに次のキャリアに移れます。