「成約したのにインセンティブが支払われない」「歩合の計算がおかしい」――インセンティブ・歩合給のトラブルで退職を考える営業職の方へ、法的な対処法と退職手順を解説します。
インセンティブ未払いのよくあるケース
- 成約後にキャンセルが入り、インセンティブが取り消された
- 計算方法が事前の説明と異なる
- 「チーム目標未達だから個人インセンティブもゼロ」と言われた
- 退職月のインセンティブが支払われない
- 歩合率が一方的に引き下げられた
法的な扱い
インセンティブは賃金に該当するか
就業規則や雇用契約書にインセンティブの支払い条件が明記されている場合、それは賃金として法的に保護されます。会社が一方的に支払いを拒否することは労働基準法第24条違反(全額払いの原則)にあたる可能性があります。
一方的な歩合率の引き下げ
歩合率の変更は労働条件の不利益変更にあたり、労働者の同意なく一方的に行うことは原則としてできません。
退職前にやるべきこと
証拠の保全
- 雇用契約書・労働条件通知書のコピー
- インセンティブ制度の規定(就業規則・社内通達)
- 自分の成約実績の記録(SFA/CRMのスクリーンショット)
- 給与明細(インセンティブが記載されているか確認)
- 計算方法の説明メール・資料
会社への請求
まず上司や人事部に書面で未払い分の支払いを求めましょう。口頭だけでなく、メールなど記録が残る方法で行うことが重要です。
退職届の書き方
インセンティブのトラブルが理由でも、退職届には「一身上の都合」と記載します。
退職月のインセンティブ
退職月に成約した案件のインセンティブは、就業規則の規定に従って支払われるべきです。「退職者にはインセンティブを払わない」という規定がある場合でも、成約日が在籍中であれば支払い義務が生じる可能性があります。
未払い分の請求方法
| 方法 | 費用 | 効力 |
|---|---|---|
| 会社への直接請求(書面) | 無料 | 弱い |
| 労働基準監督署への申告 | 無料 | 中程度 |
| 労働審判 | 数万円 | 強い |
| 民事訴訟 | 弁護士費用 | 最も強い |
未払い賃金の時効は3年です。
失業保険の扱い
自己都合退職の場合、給付制限期間は1ヶ月です。賃金未払いが離職理由として認定されれば、特定受給資格者として給付制限なしで受給できる可能性があります。
まとめ
インセンティブは「会社の好意で支払うもの」ではなく、規定に基づく正当な賃金です。未払いがある場合は証拠を保全し、退職後でも請求が可能です。泣き寝入りせず、正当な権利を行使しましょう。