# 立ち仕事と不規則な生活で体を壊した|カフェ店長6年目の退職
インタビュー対象者プロフィール
- 名前: 森 奈々子さん(仮名)
- 年齢: 28歳
- 経験年数: カフェチェーン 6年(バリスタ→副店長→店長)
- 勤務先: カフェチェーン
- 現在: 退職後3ヶ月の療養を経て、事務職に転職
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Q: 体調を崩し始めたのはいつ頃からですか?
4年目の冬からです。副店長になって業務量が増えた時期でした。カフェの仕事は朝が早いんです。モーニングのある店舗だったので、出勤は朝5時半。仕込みをして、6時オープン。閉店は21時ですが、締め作業が終わるのは22時過ぎ。早番と遅番のシフトがありますが、人手不足で通しで入ることも多かったです。
最初に出た症状は慢性的な腰痛です。カフェの仕事は立ちっぱなしで、重いコーヒー豆の袋(10〜20キロ)を運ぶ作業もあります。腰に負担がかかり続けて、朝起き上がるのがつらいほどの痛みが出るようになりました。
整形外科で「腰椎椎間板ヘルニア」と診断されました。医師からは「重いものを持つ作業を控えるように」と言われましたが、カフェの仕事でそれは不可能です。
Q: 腰痛以外にも症状がありましたか?
腰痛に加えて、自律神経の乱れが深刻でした。早番の時は4時起き、遅番の時は昼過ぎに出勤。シフトによって生活リズムが全く違うので、体内時計が狂いました。
具体的には、常に疲労感がある、めまい、動悸、手足の冷え、胃もたれ。心療内科を受診したところ「自律神経失調症」と診断されました。
一番怖かったのは、営業中にめまいで倒れそうになったことです。ラテアートを作っている最中に視界が暗くなって、カウンターにつかまって耐えました。お客様の前で倒れていたら大変なことになっていました。
Q: 会社に相談はしましたか?
何度も相談しました。「腰が痛いので重い荷物の作業を減らしてほしい」「早番と遅番を連続で入れないでほしい」と訴えましたが、「人がいないから仕方ない」「みんな同じ条件だから」と言われるだけでした。
飲食チェーンの人手不足は本当に深刻です。アルバイトが突然辞めると、社員がカバーするしかない。店長として「人が足りない」と本社に訴えても、「採用しているが応募がない」の繰り返し。結局、自分が体を壊して穴を埋めるしかないんです。
Q: 退職を決めた経緯を教えてください。
腰痛がさらに悪化して、長時間立っていることが不可能になった時です。鎮痛剤を飲んでも痛みが治まらず、営業中に何度もバックヤードで座り込んでいました。
医師から「このまま続けると手術が必要になる可能性がある」と言われたのが決め手でした。28歳で手術のリスクを負ってまで続ける仕事ではないと判断しました。
Q: 退職の手続きについて教えてください。
1ヶ月前にエリアマネージャーに退職の意思を電話で伝えました。引き止められましたが、「医師の診断書がある」と伝えたところ、それ以上の慰留はありませんでした。
退職届はこのサイトのテンプレートで作成して、本社人事部に郵送しました。退職届を出す際のポイントとして、「退職届のコピー」「送付時の控え(書留の受領証など)」は必ず保管しておいてください。後で「届いていない」と言われるトラブルを防ぐためです。
退職日までの残り1ヶ月間は、有給休暇の消化を申請しました。飲食業界では有給を取らせてもらえないイメージがありますが、有給休暇は労働者の権利です。会社は原則として拒否できません。「人手が足りないから」は拒否の理由になりません。
Q: 退職後の回復と現在の状況を教えてください。
退職後、3ヶ月間は完全に休みました。毎日ストレッチとウォーキングを続けて、腰痛は手術することなく改善しました。自律神経の乱れも、規則正しい生活リズムに戻したことで徐々に回復しました。
現在は事務職に転職しています。デスクワークなので腰への負担は大幅に軽減しました。年収はカフェ時代と同等(約280万円)ですが、労働時間は月160時間程度で、土日は完全に休み。生活の質は劇的に向上しました。
Q: 飲食業界で体調を崩している方にアドバイスをお願いします。
飲食業界の方は、体調不良を「職業病」として諦めていることが多いと思います。腰痛、腱鞘炎、立ちくらみ、慢性疲労。「みんなそうだから」「仕事だから仕方ない」と我慢していませんか?
でも、体は消耗品です。若いうちに無理をして壊してしまったら、取り返しがつきません。少しでも異常を感じたら、すぐに受診してください。
退職前に確認すべきこととして、労災の該当性があります。業務に起因する腰痛や精神疾患は、労災認定の対象になる可能性があります。労働基準監督署に相談して、労災申請の可否を確認してください。
また、退職後は傷病手当金や失業保険の手続きを忘れずに。体調不良で退職した場合は、失業保険の「特定理由離職者」として、給付制限なしで受給できる可能性があります。
飲食の経験は事務職、販売職、食品メーカーなど、多くの業界で評価されます。接客スキル、チームワーク、マルチタスク能力は、どの職場でも重宝されます。体を壊す前に、次のステップを考えてください。