事務職は少人数のチームで毎日顔を合わせることが多く、人間関係の悩みが退職理由の上位を占めます。人間関係が原因で退職する場合の正しい手順と注意点を解説します。
退職届に「人間関係」とは書かない
人間関係が退職の本当の理由であっても、退職届には「一身上の都合」と書くのが原則です。「人間関係の悪化により」「○○さんのパワハラにより」といった具体的な記載は、トラブルを拡大させるリスクがあるため避けましょう。
ただし、パワハラやセクハラが原因の場合は、退職届とは別に証拠を残しておくことが重要です(後述)。
上司に退職理由を伝える方法
本音を伝えなくてよい場合
退職理由の詳細を伝える義務はありません。以下のような表現で十分です。
- 「新しい環境で挑戦したいと考えています」
- 「自分のキャリアについて見つめ直す時間を取りたいと思っています」
- 「プライベートの事情で、働き方を変える必要が出てきました」
人間関係の問題を伝えた方がよい場合
以下のケースでは、人事部や上層部に事実を伝えることを検討しましょう。
- パワハラ・セクハラが存在する場合
- 違法な業務指示がある場合
- 後任者も同じ被害に遭う可能性がある場合
パワハラ・いじめが原因の場合の対処法
証拠を残す
- メールやチャットのやり取りをスクリーンショットで保存
- 暴言や不当な指示があった日時・内容をメモする
- 可能であれば録音する(事前に弁護士に相談が望ましい)
相談窓口を活用する
- 社内: 人事部、コンプライアンス窓口、労働組合
- 社外: 労働基準監督署、総合労働相談コーナー(無料)、弁護士
会社都合退職にできる場合
パワハラが原因の退職は「特定受給資格者」に該当する可能性があります。ハローワークに証拠を提示することで、自己都合退職ではなく会社都合退職として扱われ、失業保険の給付制限(1ヶ月)がなくなります。
退職までの過ごし方
人間関係が原因で退職が決まった後も、退職日までは出勤しなければなりません。以下のポイントを意識しましょう。
最低限の接触に留める
苦手な相手とは業務上必要な最低限のコミュニケーションに留め、プライベートな会話は避けましょう。メールやチャットなど、テキストベースのやり取りに切り替えると精神的負担が軽くなります。
有給休暇を活用する
退職日までの間に残りの有給休暇を消化しましょう。有給消化は労働者の権利であり、会社は原則として拒否できません。
引き継ぎは書面で残す
口頭での引き継ぎは最小限にし、引き継ぎ資料を作成して共有フォルダに保存しておきましょう。これにより「引き継ぎが不十分」と言われるリスクを防げます。
転職先での人間関係リスクを減らす方法
次の職場で同じ悩みを繰り返さないために、転職活動では以下を意識しましょう。
- 面接で職場の雰囲気を確認する: 「チームの人数は何名ですか」「どのような雰囲気で仕事をされていますか」と質問する
- 口コミサイトを確認する: OpenWork、転職会議などで社内の人間関係に関する口コミをチェックする
- エージェントに相談する: 転職エージェントは企業の内部事情に詳しいため、人間関係のリスクが低い職場を紹介してもらえる
まとめ
人間関係が原因の退職は決して恥ずかしいことではなく、心身の健康を守るための正当な判断です。退職届は「一身上の都合」で提出し、パワハラの場合は証拠を残して適切な機関に相談しましょう。