会社やオフィスの移転により通勤が困難になった場合の退職について解説します。移転を理由とした退職は、失業保険で有利になる場合があります。
オフィス移転と退職の法的関係
勤務場所の変更は労働条件の変更にあたります。
通勤困難の基準
以下のいずれかに該当する場合、「通勤困難」と判断されることが一般的です。
- 片道の通勤時間が概ね2時間以上になる
- 乗り換え回数が大幅に増える
- 通勤経路に著しい不便が生じる
会社の義務
会社は移転に際して、以下の対応を検討する義務があります。
- 通勤手当の増額
- テレワークの導入
- 転居費用の補助
- 退職を希望する社員への特別退職金
失業保険で有利になるケース
オフィス移転による退職は、「特定受給資格者」または「特定理由離職者」に該当する可能性があります。
| 区分 | 条件 | メリット |
|---|---|---|
| 特定受給資格者 | 通勤困難を理由に退職 | 給付制限なし、給付日数が多い |
| 特定理由離職者 | 通勤困難だが会社が配慮措置を提示した場合 | 給付制限なし |
| 一般の自己都合 | 通勤は可能だが不便になった程度 | 給付制限1ヶ月 |
ハローワークでは個別に判断されるため、移転の通知書や新旧の通勤経路・時間を示す資料を用意しましょう。
退職届の書き方
退職届には「一身上の都合」と記載するのが一般的です。ただし、会社都合に該当する可能性がある場合は、離職票の離職理由が正しく記載されているか必ず確認しましょう。
退職前に確認・保全すべき書類
- オフィス移転の社内通知(メール・社内報)
- 現在の通勤経路と所要時間
- 移転後の通勤経路と所要時間
- 会社からの配慮措置の有無(テレワーク・転居補助等)
移転先への転居を検討する場合
会社が転居費用を負担する場合や、移転先が魅力的なエリアであれば、転居も選択肢です。判断材料として以下を確認しましょう。
- 転居費用の会社負担の有無と金額
- 移転先エリアの家賃相場
- 家族の通勤・通学への影響
まとめ
オフィス移転による退職は「やむを得ない理由」として認められやすく、失業保険で有利な扱いを受けられる可能性があります。移転の通知を受けたら、早めに通勤シミュレーションと転職活動の準備を始めましょう。