# 昇給年5000円の現実、将来への不安から転職を決意

  • 名前: R.Nさん(仮名)
  • 年齢: 31歳
  • 経験年数: 8年(一般事務・庶務)
  • 勤務先: 卸売業

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Q: 退職を考え始めた理由は?

一番大きかったのは給与です。入社時の月給は19万円で、8年経っても23万円。年間の昇給が4,000〜5,000円程度でした。ボーナスは年2回で合計2ヶ月分。年収にすると約320万円です。

大学時代の同期と会うと、IT企業や金融に行った友人は年収500万〜600万円になっていて、正直つらかったです。同じように働いているのに、業界と職種でここまで差が出るのかと。

30歳を超えて「この会社にいても年収400万円に届かないかもしれない」と気づいた時、このままではダメだと思いました。

Q: 事務職の将来性についてどう感じていましたか?

正直、不安しかありませんでした。RPAやAIで事務作業の自動化が進んでいて、実際に私の会社でも請求書処理のシステムが導入されて、事務員が1人減りました。

「一般事務」という仕事自体がなくなるとは思いませんが、単純作業中心の事務は確実に減っていく。だからこそ、何か専門性を身につけないと将来が厳しいと感じました。

管理職への昇進の道もありましたが、うちの会社は課長でも年収450万円程度。部長は営業畑の人しかなれない暗黙のルールがありました。事務職の天井が見えていました。

Q: 転職活動ではどんな苦労がありましたか?

事務職8年の経験だけでは、書類選考で落ちることも多かったです。「一般事務」というだけでは市場価値が低いと痛感しました。

そこで、転職活動と並行して日商簿記2級とITパスポートの資格を取りました。また、職務経歴書では「事務」ではなく、具体的に何をやっていたかを数字で書くようにしました。例えば「月間500件の受発注処理を担当」「業務効率化により処理時間を30%削減」といった形です。

転職エージェントからは「事務職からの転職は、経理・人事・営業事務など専門性のある方向に絞った方がいい」とアドバイスを受け、経理補助のポジションを中心に応募しました。

Q: 退職届の提出と引き継ぎはどうでしたか?

転職先から内定をもらってから、総務部長に退職の意思を伝えました。「給与が理由」とは言わず、「キャリアアップのため」と伝えました。本音の退職理由を言っても状況は変わらないので、波風を立てないことを優先しました。

退職届は翌日に提出。退職日は1ヶ月半後に設定しました。引き継ぎ資料は以下の内容を作りました。

  • 日次・週次・月次業務の一覧と手順書
  • 使用している社内システムの操作マニュアル
  • 取引先一覧と連絡先、注意事項
  • 過去に発生したトラブルと対応方法

事務職の引き継ぎは「暗黙知」が多いのが難点です。「この取引先はFAXじゃないと受け付けない」「この上司は資料をA4横で出さないと機嫌が悪い」みたいな、マニュアルには書きにくいことも、口頭で丁寧に伝えました。

Q: 転職後の待遇はどう変わりましたか?

転職先は中堅のIT企業で、経理部門に配属されました。年収は380万円からスタートで、2年目で420万円になりました。前職の8年間の昇給総額を2年で超えました。

それ以上に大きかったのは「キャリアパスが見える」ということです。経理としてスキルを積めば、管理会計や財務分析の方向に進める。資格を取ればさらに年収が上がる。そういう将来像が描けるようになりました。

事務職で「給与が低い」「将来が不安」と感じている方は、まず市場価値を知ることから始めてください。転職サイトで自分の経歴を登録して、どんな求人がマッチするか見るだけでも視野が広がります。そして、1つでもいいので専門性を身につける努力をすること。それが将来の選択肢を増やします。