看護師が退職届を書く際に最も悩むのが「退職理由」の欄です。本記事では、看護師特有の退職理由を15パターンの例文付きで解説し、どのように書けばよいかの判断基準を示します。
退職届の理由は「一身上の都合」が原則
退職届に記載する退職理由は、自己都合退職であれば「一身上の都合」の一言で法的に問題ありません。民法上、労働者は退職理由を詳細に説明する義務を負っていません。
ただし、以下のケースでは具体的に書いた方がよい場合があります。
具体的に書くべきケース
- 病院都合の退職(退職勧奨・病棟閉鎖・人員整理): 失業保険の受給条件に影響するため、会社都合であることを明記する
- 体調不良・傷病による退職: 特定理由離職者として認定される可能性があるため、「体調不良により業務継続が困難」と明記する
- ハラスメントが原因の退職: 後日の法的手続きに備え、事実を記録しておく意味がある
「一身上の都合」で済むケース
- 転職・キャリアアップ
- 結婚・出産・育児
- 引っ越し・配偶者の転勤
- 人間関係の問題(訴訟予定がない場合)
- 給与・待遇への不満
看護師の退職届|理由の例文15選
自己都合退職の例文(例文1〜6)
| No. | 状況 | 退職届の例文 |
|---|---|---|
| 1 | 転職・キャリアアップ | このたび、一身上の都合により、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
| 2 | 結婚に伴う退職 | このたび、一身上の都合により、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
| 3 | 配偶者の転勤 | このたび、一身上の都合により、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
| 4 | 出産・育児に専念 | このたび、一身上の都合により、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
| 5 | 家族の介護 | このたび、一身上の都合により、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
| 6 | 進学・資格取得 | このたび、一身上の都合により、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
体調不良・メンタル関連の例文(例文7〜10)
| No. | 状況 | 退職届の例文 |
|---|---|---|
| 7 | 夜勤による体調不良 | このたび、体調不良により業務の継続が困難となりましたので、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
| 8 | メンタルヘルス不調 | このたび、体調不良により業務の継続が困難となりましたので、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
| 9 | 持病の悪化 | このたび、療養に専念するため、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
| 10 | 腰痛等の職業病 | このたび、体調不良により業務の継続が困難となりましたので、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
病院都合・特殊ケースの例文(例文11〜15)
| No. | 状況 | 退職届の例文 |
|---|---|---|
| 11 | 退職勧奨 | このたび、貴院の退職勧奨に伴い、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
| 12 | 病棟閉鎖 | このたび、貴院の病棟閉鎖に伴い、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
| 13 | 希望退職募集 | このたび、貴院の希望退職の募集に応じ、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
| 14 | 契約期間満了 | このたび、雇用契約期間の満了に伴い、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
| 15 | パワハラ(記録目的) | このたび、職場環境の問題により業務の継続が困難となりましたので、令和○年○月○日をもちまして退職いたします。 |
退職理由を口頭で聞かれた場合の対処法
退職届は「一身上の都合」で済んでも、師長や看護部長から口頭で理由を聞かれることがほぼ確実です。以下のポイントを押さえておきましょう。
伝え方の3原則
- 1 前向きな理由を中心に話す: 「新しい分野に挑戦したい」「家庭の事情でやむを得ない」など
- 2 職場の不満は最小限にする: 円満退社のために、直接的な批判は避ける
- 3 意思が固いことを明確にする: 「検討中」ではなく「決めました」と言い切る
看護師が使いやすい口頭での説明例
- 「以前から関心のあった訪問看護の分野に進みたいと考えています」
- 「家族の介護が必要になり、夜勤のある勤務を続けることが難しくなりました」
- 「体調面を考慮して、日勤のみの働き方に変えたいと考えています」
- 「夫の転勤に伴い、通勤が困難になるため退職を決めました」
退職届の理由で失業保険が変わる
退職届に書いた理由は、ハローワークでの失業保険の手続きに影響します。
| 退職理由の区分 | 給付制限 | 給付日数 |
|---|---|---|
| 自己都合退職 | 2ヶ月の待機期間あり | 90〜150日 |
| 特定理由離職者(体調不良等) | 待機期間なし | 90〜300日 |
| 会社都合退職 | 待機期間なし | 90〜330日 |
体調不良や病院都合で退職する場合は、退職届の理由を正確に書くことが給付面で有利になります。 離職票の退職理由欄と退職届の記載に矛盾がないよう注意してください。