# シティホテルのフロントから外資系ホテルへ、キャリアアップ転職の実態

  • 名前: J.Kさん(仮名)
  • 年齢: 31歳
  • 経験年数: 7年(シティホテル・フロント)
  • 勤務先: シティホテル

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Q: 退職を考え始めたきっかけは何でしたか?

入社5年目でフロントのシニアスタッフになった頃からです。仕事自体は好きでしたが、「この先の成長」が見えなくなりました。国内ホテルのフロント業務は、チェックイン・チェックアウト・予約管理が中心で、5年もやれば大体のことは一人でこなせるようになります。

同時に、インバウンド需要が増えて外国人ゲストが増加し、英語での対応が日常になりました。独学でTOEICのスコアを730点まで上げたのですが、うちのホテルでは語学力が待遇に反映されませんでした。「英語ができても給与は変わらない」と上司に言われた時、外資系への転職を本格的に考え始めました。

Q: 外資系ホテルへの転職活動はどうでしたか?

ホテル業界専門の転職エージェントに登録しました。国内ホテルでの7年間の経験と英語力をアピールしたところ、外資系ラグジュアリーホテル3社の面接に進めました。

面接は英語と日本語の両方で行われました。英語面接では「困難なゲスト対応をどう解決したか」を具体的に聞かれました。実際にクレーム対応した事例を英語で説明できたのが評価されたようです。

最終的に外資系ラグジュアリーホテルのフロントオフィス・スーパーバイザーとして内定をもらいました。年収は前職の320万円から430万円に上がりました。外資系はサービスチャージが給与に上乗せされるので、基本給ベースでも差がつきます。

Q: 上司への退職の伝え方は?

フロント支配人に「キャリアアップのために外資系ホテルに挑戦したい」と伝えました。支配人は業界内の転職には理解があり、「ホテル業界で頑張り続けるなら応援する」と言ってくれました。

ホテル業界は意外と横のつながりが強く、同業他社への転職は珍しくありません。ただし、「どこのホテルに行くのか」は競合関係もあるので、聞かれても具体名は言わないほうが無難です。私も「まだ正式には決まっていないので」と濁しました。

Q: ホテル業特有の引き継ぎポイントはありますか?

フロント業務の引き継ぎで重要なのは、常連ゲストの情報です。お気に入りの部屋タイプ、アレルギー情報、チェックイン時の好みのドリンク、誕生日など。これらはシステム上にも登録されていますが、「この方が来たら支配人に一報」といった暗黙のルールは口頭で引き継ぎました。

また、近隣施設(レストラン、観光地、病院等)の連携先リストも重要です。コンシェルジュ業務を兼ねていたので、「このレストランに予約する時はAさんに電話すると融通が利く」といった情報を整理しました。

退職届はフロント支配人経由で総支配人宛てに提出しました。ホテルでは「総支配人」が実質的な最高責任者なので、宛名は総支配人にするのが一般的です。退職日は1ヶ月半後に設定し、繁忙期(年末年始)を避けました。

Q: 転職して良かったですか?

非常に良かったです。外資系ホテルはスタッフのキャリア開発に積極的で、入社後に海外研修にも参加させてもらいました。評価制度も明確で、成果を出せばスーパーバイザーからアシスタントマネージャーへの昇格も見えています。

年収面だけでなく、「世界基準のホスピタリティ」を学べるのが大きいです。国内ホテルで培ったきめ細やかなサービスに、外資系のグローバルスタンダードが加わって、ホテリエとしての幅が広がりました。

ホテル業で働く方に伝えたいのは、「同じホテル業界内でもキャリアアップの選択肢はある」ということです。語学力を磨くこと、マネジメント経験を積むこと。この2つがあれば、業界内での転職で待遇は大きく変わります。