ドライバーが運送会社を退職すると、厚生年金や健康保険の資格を失います。次の仕事が決まるまでの間、年金と保険の切り替え手続きが必要です。
年金の手続き
厚生年金から国民年金への切り替え
退職すると厚生年金の資格を喪失し、国民年金第1号被保険者への切り替えが必要です。
- 手続き先: 住所地の市区町村役場(年金課)
- 手続き期限: 退職日の翌日から14日以内
- 必要書類: 年金手帳または基礎年金番号通知書、退職日がわかる書類(離職票・退職証明書など)、本人確認書類
国民年金の保険料
2025年度の国民年金保険料は月額17,510円です。退職直後で支払いが厳しい場合は、免除・猶予制度を利用できます。
保険料の免除・猶予制度
- 全額免除: 前年所得が一定以下の場合(退職特例で前年所得を考慮しない措置あり)
- 一部免除: 4分の3免除、半額免除、4分の1免除
- 納付猶予: 50歳未満で所得が一定以下の場合
退職による収入減少の場合は「退職(失業)特例」を利用でき、離職票を添付して申請すると前年所得を除外して審査されます。失業中のドライバーは積極的に活用しましょう。
配偶者の扶養に入る場合
退職後の収入が年間130万円未満(60歳以上は180万円未満)の見込みであれば、配偶者の健康保険の被扶養者になることで、国民年金第3号被保険者となり、保険料の負担がなくなります。
健康保険の手続き
退職後の健康保険は以下の3つの選択肢があります。
1. 任意継続被保険者
退職前の健康保険を最長2年間継続できる制度です。
- 条件: 退職日までに継続して2ヶ月以上の被保険者期間があること
- 手続き期限: 退職日の翌日から20日以内
- 保険料: 在職中の約2倍(会社負担分がなくなるため)。ただし上限あり
2. 国民健康保険
市区町村が運営する健康保険です。
- 手続き先: 住所地の市区町村役場
- 手続き期限: 退職日の翌日から14日以内
- 保険料: 前年の所得に基づいて計算(市区町村により異なる)
3. 家族の健康保険の被扶養者
配偶者や親の健康保険の被扶養者になる選択肢もあります。年間収入130万円未満などの条件を満たす必要があります。
どの健康保険を選ぶべきか
任意継続と国保の比較ポイント
- 在職中の給与が高かった場合: 任意継続のほうが安くなることが多い(上限額があるため)
- 在職中の給与が低かった場合: 国民健康保険のほうが安くなることがある
- 特定受給資格者の場合: 国民健康保険料が最大7割軽減される制度がある
ドライバーは長時間労働を理由に特定受給資格者に認定される可能性が高いため、その場合は国民健康保険のほうが大幅に安くなります。市区町村の窓口で保険料の試算を依頼しましょう。
手続きを忘れた場合
14日の手続き期限を過ぎても届出は可能ですが、届出日以前の医療費が全額自己負担になるリスクがあります。退職後は速やかに手続きしましょう。
転職先が決まっている場合
転職先の入社日に新しい会社の社会保険に加入するため、退職日と入社日の間に空白期間がなければ年金・保険の切り替え手続きは不要です。空白期間がある場合はその期間分だけ国民年金・国民健康保険に加入する必要があります。