ドライバーが退職する際、有給休暇の消化は当然の権利です。しかし「人手が足りない」「運行に穴が開く」と言われ、有給を取れないケースが少なくありません。ここでは有給消化の方法と対処法を解説します。

有給休暇の基本ルール

有給休暇は労働者の権利

年次有給休暇は労働基準法第39条で保障された権利です。会社は原則として有給取得を拒否できません。

退職時の有給消化は拒否できない

通常、会社には「時季変更権」がありますが、退職日が決まっている場合は変更先の日がないため、時季変更権を行使できません。つまり、退職前の有給消化は事実上拒否できないのです。

有給の付与日数

入社6ヶ月経過後に10日、以降は勤続年数に応じて最大20日が毎年付与されます。未消化分は翌年まで繰り越せるため、最大40日分が残っている場合もあります。

運行スケジュールとの調整方法

1. 早めに退職の意思を伝える

有給消化期間を確保するため、退職希望日の1〜2ヶ月前には退職を伝えましょう。

2. 引き継ぎ期間を設ける

有給消化に入る前に、以下の引き継ぎを済ませます。

  • 担当ルートの詳細情報(荷主の注意点、納品先の特徴など)
  • 車両の状態やクセの情報
  • 得意先との人間関係の引き継ぎ
  • 日報や伝票の処理方法

3. スケジュールの提案

「○月○日まで出勤し引き継ぎを行い、○月○日から有給消化に入り、○月末で退職」といった具体的なスケジュールを提案すると、会社も受け入れやすくなります。

有給を拒否された場合の対処法

書面で申請する

口頭で申請して拒否された場合は、有給休暇申請書を書面で提出しましょう。日付入りのコピーを手元に保管しておきます。

労働基準監督署に相談する

有給休暇の取得を認めないことは労働基準法違反です。労働基準監督署に相談すれば、会社への指導を行ってもらえます。

退職代行サービスの利用

自分で交渉するのが難しい場合は、労働組合型の退職代行サービスを利用すれば、有給消化の交渉も代行してくれます。

よくある質問

Q. 有給消化中に他の仕事をしてもいい?

A. 有給消化中はまだ在職中のため、就業規則で副業が禁止されている場合は注意が必要です。ただし、転職先への入社準備や面接は問題ありません。

Q. 有給を買い取ってもらえる?

A. 退職時に消化しきれない有給を会社が買い取ることは、法律で禁止されていません(退職時の買い取りは例外的に認められています)。ただし、買い取りは会社の義務ではなく任意です。

Q. パートやアルバイトのドライバーでも有給はある?

A. 雇用形態に関係なく、条件を満たせば有給休暇は付与されます。週の所定労働日数に応じた日数が付与される比例付与制度もあります。

有給休暇は働いた対価として与えられたものです。退職前に堂々と消化しましょう。