2024年4月から運送業にも時間外労働の上限規制が適用されました。しかし、依然として長時間労働が改善されない現場も多く、退職を検討するドライバーが増えています。
2024年問題とは
時間外労働の上限規制
トラックドライバーの時間外労働の上限が年間960時間に規制されました。これまで上限規制の適用が猶予されていた運送業にも、ようやく規制が及んだ形です。
改善基準告示の改正
ドライバーの拘束時間の基準も見直されました。
- 1日の拘束時間: 原則13時間以内(最大15時間、14時間超は週2回まで)
- 1ヶ月の拘束時間: 原則284時間以内
- 休息期間: 継続11時間以上を基本とし、9時間を下回らない
現場の実態
規制が施行されたものの、荷待ち時間の長さ、荷役作業の負担、配送件数の多さなどにより、実態として改善が進んでいない運送会社も少なくありません。
長時間労働を理由とした退職届の書き方
退職届の退職理由は「一身上の都合」と記載するのが一般的です。長時間労働が原因であっても、退職届に具体的な不満を書く必要はありません。
ただし、失業保険で有利な扱いを受けるために、長時間労働の証拠は別途保存しておきましょう。
長時間労働の証拠を残す
以下の資料を退職前に確保しておくことが重要です。
- デジタルタコグラフの運行記録
- 運転日報のコピー
- 給与明細(残業時間の記載)
- 点呼記録簿
- タイムカードや勤怠システムの記録
- LINEやメールでの業務連絡の履歴
失業保険での有利な扱い
特定受給資格者への該当
離職前6ヶ月間のうち、連続する2ヶ月以上の平均が月80時間超、またはいずれか1ヶ月で100時間超の残業がある場合、「特定受給資格者」に該当する可能性があります。
特定受給資格者のメリット
- 2ヶ月の給付制限なし(7日間の待期期間後すぐに受給開始)
- 給付日数が自己都合退職より多い(年齢・被保険者期間による)
- 国民健康保険料の減額措置が受けられる
ハローワークでの手続き
離職票に記載された退職理由が「自己都合」となっていても、長時間労働の証拠をハローワークに提出すれば、特定受給資格者に変更してもらえる場合があります。
未払い残業代の請求
サービス残業や、実際の拘束時間と記録上の時間に差がある場合は、未払い残業代を請求できる可能性があります。退職後3年以内であれば請求可能です。労働基準監督署への申告や、弁護士への相談を検討しましょう。
まとめ
2024年問題により法的な規制は強化されましたが、すべての運送会社で改善が進んでいるわけではありません。違法な長時間労働が続く職場にとどまる必要はなく、証拠を残したうえで退職し、失業保険を有利に活用しましょう。