インタビュー対象者プロフィール

  • 名前: 吉田 誠さん(仮名)
  • 年齢: 32歳
  • 経験年数: ドライバー歴8年(大型長距離)
  • 勤務先: 運送会社
  • 資格: 大型免許、けん引免許、運行管理者(貨物)
  • 運行ルート: 東京〜大阪間の幹線輸送

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Q: 転職を考え始めたきっかけは何でしたか?

大型トラックで東京〜大阪間の幹線輸送を8年間やってきました。手取りは月30万円前後で、ドライバーとしては悪くない金額です。でも、この先10年、20年と同じことを続けていく自分が想像できなくなったんです。

きっかけは2024年問題でした。残業時間の上限規制(年960時間)が始まって、走れる距離が減る。走れる距離が減れば、当然収入も減る。実際に会社から「来年度は基本給を見直す(下げる)可能性がある」と言われて、危機感を覚えました。

それに加えて、30代になって体力の衰えを感じ始めたんです。夜通し走って朝に荷下ろし、数時間仮眠して夕方にまた出発。20代の頃は平気でしたが、30歳を超えてから回復に時間がかかるようになりました。

Q: 物流管理職を目指した理由は?

ドライバーの経験を活かしつつ、体への負担を減らしたかった。運行管理者の資格を持っていたので、「現場を知っている管理者」として即戦力になれると思いました。

大手の物流会社では、ドライバー出身の管理職を積極的に採用しています。実際に荷物を運んだ経験がある人間でないと、配車の最適化やドライバーの労務管理はできませんから。

転職エージェントに相談したら、「大型免許+運行管理者+8年の実務経験は非常に強い」と太鼓判を押されました。

Q: 転職活動はどう進めましたか?

運送・物流業界に特化した転職サイトと、一般の転職エージェントを1つずつ使いました。希望条件は「管理職候補」「年収450万円以上」「夜勤なし」「転勤なし」。

面接では、運行ルートの改善で燃料費を月○万円削減した実績や、新人ドライバーの育成経験、無事故の実績をアピールしました。ドライバーは実績を数字で語れる仕事なので、面接でのアピールポイントは多かったです。

最終的に、大手3PLの配車管理職として内定。年収は480万円で、前職から約50万円アップ。日勤のみで土日休み。条件面では大幅改善でした。

Q: 運送会社への退職の伝え方は?

所長に「キャリアアップのために転職したい」と伝えました。正直、ドライバー不足で引き止められると覚悟していたんですが、所長は「吉田の気持ちが固いなら応援する。ただし、後任が見つかるまで2ヶ月は待ってくれ」と言ってくれました。

ドライバーの退職で一番大事なのは、担当ルートの引き継ぎです。荷主の倉庫の入り方、積み込みの順番、荷受け担当者の名前と特徴、高速道路のルート選択など、マニュアルには書いていないノウハウが大量にあります。後任のドライバーに同乗してもらって、2往復かけて引き継ぎました。

Q: 退職届はどう提出しましたか?

退職届は代表取締役社長宛に「一身上の都合」で記載。所長に手渡しして、そこから人事に回してもらいました。特に問題なく受理されました。

退職届とは別に、担当ルートの引き継ぎ資料を作成しました。ルートマップ、荷主ごとの注意事項、車両の癖(「この車は3速の入りが悪い」等)まで細かく。後任のドライバーには「何かあったらいつでも電話して」と伝えました。

Q: 転職後の変化を教えてください。

まず、生活リズムが劇的に変わりました。朝8時出勤、17時退社。夜はちゃんと布団で寝られる。当たり前のことなんですが、ドライバー時代はトラックの寝台で仮眠していたので、「毎日同じベッドで寝られる幸せ」を噛みしめています。

仕事では、ドライバー時代の経験がフル活用できています。配車を組むときに「このルートだと○○ICの渋滞にハマるから、出発を1時間早めたほうがいい」と具体的に提案できる。ドライバーからの信頼も得やすいです。

年収も上がって、将来のキャリアパスも見えてきた。運行管理者としての経験を積んで、将来的には物流部門の責任者を目指しています。

Q: キャリアアップを考えているドライバーにアドバイスはありますか?

運行管理者の資格は必ず取ってください。ドライバーから管理職へのキャリアアップの必須条件です。試験は年2回で、しっかり勉強すれば独学でも合格できます。

2024年問題で業界は大きな転換期を迎えています。「走ってナンボ」の時代は終わりつつある。走行距離が減って収入が減るなら、管理側に回るのは賢い選択です。

転職のタイミングは荷主の繁忙期を避けるのがマナー。年末年始や年度末は避けて、比較的落ち着いた時期に退職届を出すと円満です。引き継ぎは必ず同乗研修を。ルートの知識は言葉だけでは伝わりません。