歯科医院でのX線被ばくが心配な歯科衛生士に向けて、正しい知識と対処法を解説します。
歯科X線の被ばく量
歯科撮影の被ばく量(1回あたり)
| 撮影の種類 | 実効線量(概算) |
|---|---|
| デンタルX線(口内法) | 約0.01mSv |
| パノラマX線 | 約0.01〜0.03mSv |
| 歯科用CT(CBCT) | 約0.1〜0.5mSv |
参考値
| 被ばく源 | 実効線量 |
|---|---|
| 日常生活での自然被ばく(年間) | 約2.1mSv |
| 東京〜ニューヨーク間の飛行 | 約0.2mSv |
| 胃のX線検診 | 約0.6mSv |
| 職業被ばくの年間限度 | 50mSv |
歯科X線の被ばく量は非常に少なく、通常の業務で健康被害が生じるリスクは極めて低いです。
それでも心配な場合の対処法
適切な防護対策の確認
- 1 防護衣(プロテクター)の着用: 撮影時に鉛エプロンを着用しているか
- 2 撮影室の構造: 撮影室が適切に遮蔽されているか
- 3 個人被ばく線量計の装着: フィルムバッジ等で被ばく量を測定しているか
- 4 撮影時の退避: 撮影ボタンを押す際に十分な距離を取っているか
問題がある場合
以下の状況は改善が必要です。
- 防護衣が提供されていない
- 撮影室の遮蔽が不十分
- 個人被ばく線量計が支給されていない
- 撮影時にスタッフが患者のフィルムを手で固定させられている
改善を求める方法
- 1 院長に相談: 防護対策の改善を具体的に提案
- 2 書面で記録: 改善提案と院長の対応を記録
- 3 保健所に相談: 医療法に基づく基準を満たしていない場合
退職を検討するケース
- 院長が防護対策の改善に応じない
- 法令に違反する運用が続いている
- 妊娠中・妊娠を予定しており、不安が解消されない
妊娠中の歯科衛生士
妊娠中は胎児への影響を考慮し、X線撮影業務から外れることを申し出ることができます。院長には母性保護の観点から配慮する義務があります。
退職届の書き方
被ばくへの不安が理由であっても、退職届には「一身上の都合」と記載するのが一般的です。
転職先の選び方
被ばくが心配な場合は、以下のような職場を選ぶことも検討しましょう。
- X線撮影の頻度が少ないクリニック(予防歯科メイン)
- 防護対策が充実した大規模クリニック
- 歯科衛生士業務以外の職種(歯科メーカー、教育機関等)