メンタルヘルスの不調により休職中の公務員が退職を考える場合の手続きと注意点を解説します。
公務員の病気休暇・休職制度
病気休暇
| 項目 | 国家公務員 | 地方公務員(一般的な例) |
|---|---|---|
| 期間 | 90日以内 | 90日以内(自治体による) |
| 給与 | 全額支給 | 全額支給 |
| 診断書 | 必要 | 必要 |
休職(分限休職)
| 項目 | 国家公務員 | 地方公務員(一般的な例) |
|---|---|---|
| 期間 | 最長3年 | 最長3年(自治体による) |
| 給与(1年目) | 俸給の80% | 俸給の80%程度 |
| 給与(2年目以降) | 無給 | 無給(自治体による) |
| 手続き | 任命権者の処分 | 任命権者の処分 |
病気休暇を使い切った後に休職に移行するのが一般的な流れです。
病気休暇・休職中に退職する手順
手順の流れ
- 1 主治医に相談: 退職の意思を伝え、今後の治療計画を確認
- 2 辞職願を作成: 休職中でも辞職願の提出は可能
- 3 上司または人事部門に連絡: 電話やメールで辞職の意思を伝え、書類の提出方法を確認
- 4 辞職願を提出: 郵送でも受理される(配達証明付き書留が望ましい)
- 5 承認を待つ: 任命権者の承認後に退職が確定
- 6 退職手続き: 共済組合の切替、退職手当の受給手続き
出勤できない場合の対応
- 郵送提出: 辞職願を配達証明付き書留で人事部門に送付
- 代理人による提出: 家族等が代理で持参することも可能
- 弁護士による代理: 弁護士型の退職代行を利用する
退職のタイミングによる影響
病気休暇中に退職する場合
- 給与は全額支給されているため、退職日まで収入が確保される
- 病気休暇の残日数を確認し、退職日を設定する
休職中に退職する場合
- 休職1年目は俸給の80%が支給される
- 2年目以降は無給のため、早めに退職して次の手続きに移るほうが合理的な場合もある
休職期間満了で退職する場合
- 休職期間(最長3年)が満了しても復職できない場合は、分限免職となる
- 分限免職でも退職手当は支給される(自己都合退職扱い)
退職手当への影響
- 病気休暇・休職中の退職でも退職手当は支給される
- 在職期間に休職期間が含まれるが、休職期間の一部は勤続年数の計算から除算される場合がある
- 具体的な計算は人事部門に確認すること
退職後の傷病手当金に相当する制度
公務員の共済組合には傷病手当金制度があります。退職日に傷病手当金を受給中であれば、退職後も引き続き受給できる場合があります。
- 支給期間: 支給開始日から通算1年6か月
- 支給額: 標準報酬日額の3分の2
- 条件: 退職日まで引き続き1年以上の組合員期間があること
休職中の退職で注意すべきこと
- 復職支援プログラムの利用も検討する(退職が最善とは限らない)
- 退職後の生活設計(収入、健康保険、年金)を事前に整理する
- 心療内科・精神科の主治医の意見も参考にする
- 傷病手当金の受給資格を失わないよう、退職日の設定に注意する