退職届を出した後に「やっぱり続けたい」と思った場合の撤回について解説します。
退職届と退職願の違い(撤回の可否)
退職願の場合
退職願は退職の「お願い」であり、会社が承諾するまでは撤回が可能です。最高裁判例(昭和51年白頭学院事件)でも、使用者の承諾前であれば合意解約の申込みは撤回できるとされています。
退職届の場合
退職届は退職の「通知」であり、会社に到達した時点で効力が発生します(民法第97条)。原則として一方的な撤回はできません。
ただし、会社側が撤回に同意すれば撤回は可能です。法的に撤回権がないだけで、合意の上で退職を取りやめることは問題ありません。
アパレル業界での実情
撤回が認められやすいケース
- 人手不足の店舗で、店長や会社側も残ってほしいと考えている
- 退職届の提出から日が浅く、後任の採用が始まっていない
- 退職理由(人間関係・ノルマ等)が改善される見込みがある
撤回が難しいケース
- すでに後任の採用・異動が決まっている
- 退職に伴う顧客の引き継ぎが完了している
- 退職日が間近に迫っている
- 上司やエリアマネージャーの承認が済んでいる
撤回の手順
1. 直属の上司(店長)に相談
- できるだけ早く口頭で撤回の意思を伝える
- 退職届を出してから日が浅いほど撤回しやすい
2. 撤回届の提出
口頭での合意後、書面で撤回届を提出することが望ましいです。
- 書式: 「○年○月○日付で提出した退職届を撤回いたします」
- 日付と署名を記載
3. 人事部への確認
大手アパレル企業の場合、本社人事部の承認が必要な場合があります。店長だけでなく人事部にも確認しましょう。
撤回後の注意点
- 一度退職の意思を示したことで、社内評価に影響する可能性がある
- 同僚との関係が気まずくなることがある
- 再度退職を申し出る場合、信用が低下しやすい
撤回を防ぐために
退職届を出す前に以下を確認しましょう。
- 退職の意思は本当に固いか
- 一時的な感情(ノルマのプレッシャー、接客トラブルなど)ではないか
- 有給休暇を取得してから冷静に判断したか
重要: 退職届を提出する前に、まず退職「願」で打診し、会社と話し合うのが安全です。