インタビュー対象者プロフィール

  • 名前: 西田 あゆみさん(仮名)
  • 年齢: 33歳
  • 経験年数: アパレル販売員歴8年
  • 勤務先: メンズ・レディース複合ブランド(ショッピングモール内店舗)の店長
  • 現在: 退職後、アパレルブランドのSNS運用を在宅で受託

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Q: 店長としての働き方を教えてください。

ショッピングモール内の店舗で店長を務めていました。営業時間は10時〜21時で、シフト制。土日祝日は書き入れ時なので基本的に出勤です。店長になってからは売上管理、スタッフのシフト作成、本社への報告業務、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)まで担当していました。閉店後に本社への日報を書いて、帰宅は22時を過ぎることも珍しくありませんでした。

Q: 妊娠がわかった時の状況を教えてください。

妊娠がわかったのは32歳の時でした。嬉しかったのですが、同時に「店長を続けられるのか」という不安がありました。つわりが重く、接客中に気分が悪くなることが増えました。エリアマネージャーに相談して、重い荷物の作業は他のスタッフに代わってもらう配慮はしてもらいましたが、店長としての責任は変わらず、精神的な負担は大きかったです。

Q: 産休・育休は取得しましたか?

産休・育休は取得しました。合計で約1年4か月休みました。しかし、休んでいる間も「復帰後にちゃんとやれるか」「自分のポジションは残っているか」という不安がありました。

Q: 復帰後に直面した問題は何でしたか?

復帰後、以前と同じ店舗の店長に戻りましたが、働き方が大きく変わりました。時短勤務(10時〜17時)を取得しましたが、保育園のお迎えがあるので実質16時半には退勤する必要がありました。土日は夫に預けて出勤していましたが、夫も仕事が忙しく、毎週末は無理でした。結果的に、土日のどちらかしか出勤できず、「店長なのに土日にいない」という状況になりました。

Q: 周囲の反応はどうでしたか?

スタッフは理解を示してくれましたが、本社からは「土日の売上を伸ばすには店長の存在が不可欠」「時短でも成果を出してほしい」とプレッシャーがありました。ノルマは以前と同じ水準で、時短分が考慮されていなかったんです。セール期間中は保育園の延長保育を使ってフルタイムで出勤しましたが、子どもが体調を崩す頻度が増えて、「無理をさせている」と自責の念に駆られました。

Q: 退職を決断したきっかけは?

子どもが1歳半の時、保育園から「お子さんが他の子と遊ぼうとせず、一人でいることが多い」と言われたんです。自分の仕事のせいで、子どもの成長に影響が出ているのではないかと思いました。夫と何度も話し合い、「今は子育てに集中する時期」と決めました。

Q: 退職届はどのように出しましたか?

エリアマネージャーに退職の意思を伝え、退職届を本社の人事部(代表取締役宛)に提出しました。「店長の後任が見つかるまで」と引き留められましたが、2か月の猶予を設けることで合意しました。引き継ぎでは、店舗運営のマニュアル、顧客リスト、売上分析の方法、本社への報告フォーマットなどを全て文書化して副店長に渡しました。

Q: 退職後の収入面はどうしていますか?

退職後3か月は専業主婦でしたが、アパレル時代のSNS運用の経験を活かして、ブランドのインスタグラム運用を在宅で受託する仕事を始めました。月に10〜15万円の収入があります。店長時代の年収約340万円と比べると大幅減ですが、子どもと一緒に過ごしながら、ファッションに関わる仕事ができているので満足しています。

Q: 育児とアパレルの両立に悩む方にアドバイスをお願いします。

アパレルは土日出勤・シフト制が基本なので、育児との両立は他の業種より難しいのが現実です。時短勤務やシフトの配慮を求めても、「お客様が多い時間帯に人が足りない」「セール期間は全員出勤」という事情があり、十分な配慮が得られないケースが多いです。退職を決断する前に、本社の人事に「在宅勤務可能なポジション(EC運営、SNS運用など)への異動」を相談してみるのも手です。それが難しければ、フリーランスとしてアパレルの知識を活かす道もあります。