インタビュー対象者プロフィール

  • 名前: 加藤 真由美さん(仮名)
  • 年齢: 28歳
  • 経験年数: アパレル販売員歴6年
  • 勤務先: レディースアパレルブランド(百貨店内のテナント)
  • 現在: 退職後2か月の療養を経て、アパレルECサイトのカスタマーサポート職

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Q: 体調を崩したきっかけを教えてください。

百貨店内のテナントで販売員として6年間働いていました。百貨店は営業時間が長く、10時〜20時のシフトが基本です。ヒールのある靴で1日中立ちっぱなし。4年目くらいから足の裏に痛みが出始め、整形外科で「足底腱膜炎」と診断されました。ヒールの着用を控えるよう言われましたが、ブランドのドレスコードでフラットシューズは許可されていませんでした。

Q: 足以外にも症状はありましたか?

腰痛も出始めました。ストック(在庫置き場)での重い段ボールの出し入れ、ディスプレイの変更作業、棚卸しなど、体力仕事も多かったです。さらに、百貨店の営業時間に合わせた不規則な生活(早番は8時半出勤、遅番は21時退勤)で、睡眠の質が悪くなり、慢性的な疲労感に悩まされるようになりました。

Q: 会社に体調の相談はしましたか?

店長に相談して、ストック作業を他のスタッフに代わってもらうようお願いしました。しかし、少人数の店舗なので「全員で分担するしかない」と言われ、根本的な解決にはなりませんでした。エリアマネージャーにも「フラットシューズでの勤務を許可してほしい」と相談しましたが、「ブランドイメージがあるので難しい」と却下されました。

Q: 退職を決断した決定的なきっかけは?

ある日、接客中に足の痛みで立っていられなくなり、お客様の前でしゃがみ込んでしまったんです。お客様に心配されて、恥ずかしさと悔しさで涙が出ました。その日の帰りに、「もう限界だ」と退職を決意しました。翌日、心療内科も受診したところ、「慢性疲労症候群の疑い」と言われました。

Q: 退職届はどのように出しましたか?

店長に口頭で退職の意思を伝え、翌日に退職届を提出しました。退職届は代表取締役宛です。店長からは「繁忙期(年末年始)が終わるまで待ってほしい」と言われましたが、体調を理由に1か月後の退職を主張しました。整形外科と心療内科の診断書も一緒に提出したことで、会社も退職を受理してくれました。

Q: 退職後の療養期間はどのように過ごしましたか?

2か月間、ひたすら体を休めました。足底腱膜炎のリハビリを続けながら、規則正しい生活リズムに戻すことを優先しました。毎日同じ時間に起きて、散歩して、ストレッチをする。たったこれだけのことが、アパレル時代にはできなかったんです。2か月後には足の痛みもかなり軽減し、「そろそろ働ける」と思えるようになりました。

Q: 転職先はどのように選びましたか?

「立ち仕事はもうやりたくない」「でもファッションには関わりたい」という2つの条件で探しました。アパレルECサイトのカスタマーサポート職を見つけた時、「これだ」と思いました。座って働けて、ファッションの知識も活かせる。面接では「店頭での接客経験がある人は、お客様の気持ちがわかるので適任」と言われました。

Q: 転職後の待遇や体の状態はどうですか?

年収は約270万円から約310万円に微増しました。デスクワーク中心なので足の負担はほぼゼロ。土日祝日が休みなので、生活リズムも安定しています。足底腱膜炎も完治に近づいていて、今ではヒールも短時間なら履けるようになりました。体調が戻って改めて感じたのは、「健康あっての仕事」ということです。

Q: 体調不良で悩んでいるアパレル販売員にアドバイスをお願いします。

アパレル販売員は「おしゃれでキラキラした仕事」に見えますが、実態は重労働です。立ち仕事、重い荷物、不規則な勤務。体への負担は想像以上です。足や腰に痛みを感じたら、我慢せずに受診してください。診断書があれば、会社との交渉やスムーズな退職に役立ちます。アパレルの知識はECサイト、ファッション誌、スタイリスト事務所など、立ち仕事以外でも活かせる場所がたくさんあります。体を壊す前に、働き方を見直してほしいです。