インタビュー対象者プロフィール

  • 名前: 吉田 美紀さん(仮名)
  • 年齢: 30歳
  • 経験年数: アパレル販売員歴7年
  • 勤務先: セレクトショップ(路面店)の副店長
  • 現在: アパレルブランド本社のMD(マーチャンダイザー)職

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Q: アパレル販売員になったきっかけを教えてください。

高校生の頃からファッションが好きで、アパレルで働くことが夢でした。専門学校卒業後、セレクトショップに入社して、販売員としてキャリアをスタートしました。お客様にスタイリングを提案して、喜んでもらえた時のやりがいは大きかったですね。3年目に副店長に昇格し、売上管理や在庫管理、スタッフのシフト管理も担当するようになりました。

Q: 7年間の販売員経験で得たスキルは何ですか?

接客スキルはもちろんですが、それ以上に「数字を読む力」が身につきました。日別・週別・月別の売上分析、在庫回転率の管理、客単価の分析など、販売員でありながら数字と向き合う機会が多かったです。また、トレンド分析の力も培われました。「今シーズン何が売れるか」「このアイテムはどの客層に刺さるか」を肌感覚で理解できるようになりました。

Q: 転職を考え始めた理由は?

2つあります。1つは、店舗の販売員として成長の限界を感じたこと。副店長の次は店長ですが、店長になっても業務の本質は「店舗で売る」ことに変わりません。もっと上流の「何を仕入れて、どう売るか」を企画する仕事に携わりたいと思うようになりました。もう1つは年収です。副店長で年収約300万円。店長になっても350万円程度と聞いて、「好き」だけでは続けられないと感じました。

Q: MD職への転職活動はどうでしたか?

アパレル専門の転職エージェントに登録しました。「販売経験が長い人はMD職に転身しやすい」とアドバイスを受けて、自信が持てました。面接では「店舗目線で売れ筋を分析してきた経験」「在庫管理のスキル」をアピールしました。また、独自に作っていた月次の売上分析レポートをポートフォリオとして持参したのが効果的でした。

Q: 退職をお店に伝えた時の反応は?

店長に退職の意思を伝えた時、「副店長が抜けると店が回らない」とかなり引き留められました。エリアマネージャーにも呼ばれ、「店長への昇格を前倒しする」と提案されました。正直、心が揺れましたが、店長になっても根本的な不満は解消されないと考え、退職の意思を貫きました。

Q: 引き継ぎはどのように進めましたか?

退職日は2か月後に設定しました。アパレルは季節の変わり目がセール期間と重なるので、セール終了後の退職タイミングを選びました。引き継ぎでは、担当していた売上管理の方法、常連のお客様の情報(好みやサイズ感)、発注のルールなどを資料にまとめました。後任のスタッフと一緒にシフトに入り、実務を見せながら引き継ぎました。

Q: 退職届はどのように書きましたか?

退職届は会社の本社(代表取締役宛)に提出しました。退職理由は「一身上の都合」です。口頭では「キャリアアップのため」と伝えました。転職先の社名は聞かれましたが、「同業他社なので詳しくは控えさせてください」と答えました。

Q: 転職後の年収や働き方の変化を教えてください。

年収は約300万円から約420万円に上がりました。MD職はデスクワーク中心で、店舗での立ち仕事がなくなったのは体力的に楽です。土日も基本的に休みになりました。ただ、展示会の時期やサンプルチェックの期間は忙しく、残業もあります。それでも、「自分が選んだ商品が店頭に並ぶ」という達成感は、販売員時代とはまた違ったやりがいがあります。

Q: アパレルでキャリアアップを目指す方にアドバイスをお願いします。

販売員は「売るだけの仕事」ではありません。売上データの分析、トレンドの読み取り、顧客管理など、ビジネスに直結するスキルが身につきます。MD職やバイヤー、VMDなど、本社職への転身を目指すなら、日頃から数字を意識して働くことが大切です。自分なりの売上分析レポートを作っておくと、転職時の強力な武器になります。退職時期はセールや繁忙期を避け、お店への影響を最小限にする配慮が円満退職の秘訣です。