小売・販売業では、パート・アルバイトから正社員まで多様な雇用形態で働く方がいます。ここでは雇用形態ごとの退職届の違いと注意点を解説します。

退職届の基本書式は同じ

法律上、パートでも正社員でも退職届の書式に違いはありません。「一身上の都合により退職いたします」という文面は共通です。

ただし、以下の点で実務上の違いがあります。

パート・アルバイトの退職届

提出義務はあるのか 法的にはパートでも退職届の提出義務はなく、口頭で退職を申し出れば成立します。しかし、書面で出しておくと「言った・言わない」のトラブルを防げます。

宛名 - 個人経営の店舗: 「○○ オーナー △△ △△ 殿」 - チェーン店: 店長がオーナーでない場合は「株式会社○○ 代表取締役社長 △△ △△ 殿」

退職予告期間 期間の定めのない契約の場合は2週間前の通知で退職可能です。ただし、シフト作成に配慮して1ヶ月前に伝えるのがマナーです。

有期雇用の場合 3ヶ月契約などの有期雇用パートは、原則として契約期間中は退職できません。ただし、契約開始から1年経過後はいつでも退職可能です(労働基準法137条)。また、やむを得ない事由がある場合も退職できます(民法628条)。

正社員の退職届

提出先 多くの企業では人事部門への提出が正式な手続きです。まず直属の上司(店長等)に口頭で伝え、了承後に書面を提出します。

宛名 正社員の場合は会社の代表者宛が正式です。「株式会社○○ 代表取締役社長 △△ △△ 殿」と記載します。

退職予告期間 就業規則で定められた期間(1〜2ヶ月前が一般的)に従います。民法上は2週間前で足りますが、引き継ぎの観点から余裕を持つべきです。

有給休暇の取り扱い

パートの有給休暇 週の所定労働日数に応じて付与されます。6ヶ月以上継続勤務し、出勤率8割以上であれば取得権があります。退職前の消化も権利として認められます。

正社員の有給休暇 フルタイム勤務で年10〜20日(勤続年数による)付与されます。退職日までに消化するのが一般的です。

社会保険の違い

正社員は通常、社会保険(健康保険・厚生年金)に加入しています。退職後は国民健康保険への切り替えまたは任意継続の手続きが必要です。パートでも一定の要件を満たせば社会保険に加入しているため、同様の手続きが必要になります。

まとめ

退職届の書式自体に大きな違いはありませんが、退職予告期間、有給の付与日数、社会保険の手続きなど、雇用形態によって注意すべき点が異なります。自分の雇用契約書を確認してから退職届を準備しましょう。