棚卸しで在庫差異(ロス)が発覚し、責任を問われて退職を考えている販売職の方へ、法的な責任範囲と退職の手順を解説します。
在庫差異の責任は誰にあるのか
在庫差異(万引き・伝票ミス・納品ミス等による帳簿と実数の差)の責任について、法的には以下のように考えられます。
個人に損害賠償を請求できるケース
- 故意に商品を持ち出した場合(横領)
- 重大な過失(意図的にカウントを怠った等)がある場合
個人に損害賠償を請求できないケース
- 通常の業務の範囲内で発生した在庫差異
- 万引きによるロス(防犯は会社の責任)
- システムや伝票の不備によるミス
「ロスはお前の責任だ」と言われた場合
店長やエリアマネージャーから「ロスはお前の責任だから弁償しろ」と言われても、法的根拠がない限り応じる必要はありません。
- 給与からの天引きは労働基準法第24条違反(全額払いの原則)
- 自腹での商品購入の強要は違法
退職届の書き方
在庫差異が理由でも、退職届には「一身上の都合」と記載します。在庫差異やロスの責任について退職届に書く必要はありません。
退職前に確認すべきこと
- 在庫差異の弁償を求められている場合、書面での要求があるか確認
- 給与からの天引きがないか最終給与明細を確認
- 不当な天引きがあった場合は労基署に相談
在庫差異を理由に退職を勧奨された場合
会社が在庫差異を理由に退職を勧める場合、それは会社都合退職(退職勧奨)にあたります。
| 区分 | 失業保険の扱い |
|---|---|
| 自己都合退職 | 給付制限1ヶ月 |
| 退職勧奨(会社都合) | 給付制限なし、給付日数優遇 |
退職勧奨に応じる場合は、離職票の退職理由が「会社都合」になっていることを必ず確認しましょう。
まとめ
在庫差異は組織的な問題であり、一個人に全責任を負わせることは法的に認められません。不当な弁償要求には応じず、必要に応じて労基署や弁護士に相談しましょう。