# 店長のワンマン経営とクレーム客の板挟み、心が折れた6年間
- 名前: K.Sさん(仮名)
- 年齢: 28歳
- 経験年数: 6年(ホームセンター販売)
- 勤務先: 中堅ホームセンターチェーン(店舗数約50店舗)
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Q: どのような職場環境でしたか?
ホームセンターの園芸コーナーを担当していました。仕事自体は好きだったのですが、問題は店長でした。異動してきた新しい店長が完全なワンマンタイプで、すべてを自分の判断で決めないと気が済まない人でした。
売場のレイアウト変更も、発注量の調整も、全部店長に確認しないと怒られる。でも店長は忙しくてつかまらない。確認を待っていると「なぜ早くやらない」と怒られる。何をやっても叱責される状況でした。
Q: クレーム対応についても教えてください。
小売業で一番つらいのはクレーム対応です。園芸コーナーは特にクレームが多く、「買った苗が枯れた」「害虫がついていた」「品種が違う」といったクレームが週に何件もありました。
最もつらかったのは、常連のクレーマーへの対応です。毎週来ては些細なことで30分以上文句を言うお客様がいました。店長に相談すると「お客様は神様だ。お前が対応しろ」と言うだけ。他のスタッフは「あの人が来たら逃げる」と、結局いつも私が対応させられていました。
ある日、そのお客様に「お前みたいな素人が園芸のアドバイスをするな」と大声で怒鳴られました。売場の他のお客様も見ている中でです。その時、涙が止まらなくなりました。
Q: 誰かに相談できましたか?
同僚のパートさんたちは「大変だね」と同情してくれましたが、具体的に助けてもらえる立場ではありませんでした。エリアマネージャーに相談したこともありますが、「店長とうまくやってくれ」と言われるだけでした。
会社のコンプライアンス窓口に電話したこともあります。しかし「調査します」と言われてから2ヶ月経っても何の連絡もありませんでした。期待して損をした気分でした。
最終的に心療内科を受診し、「軽度のうつ状態」と診断されました。
Q: 退職を決断したのはいつですか?
診断を受けてからも3ヶ月ほど悩みました。転職先が決まらないまま辞めるのが不安だったからです。でも、朝起きて「今日も店に行かないといけない」と思うだけで胃が痛くなる状態で、このままでは本当に壊れると思いました。
貯金が80万円ほどあったので、「3ヶ月は何とかなる」と腹をくくりました。
Q: 退職届はどのように出しましたか?
店長には言いたくなかったので、エリアマネージャーに直接電話しました。「体調不良のため退職したい」と伝え、診断書の写しをメールで送りました。エリアマネージャーが店長に伝えてくれて、退職届の提出も人事部に直接郵送する形になりました。
退職日は2週間後に設定しました。本当は引き継ぎをもっとやるべきだったかもしれませんが、精神的に限界だったので最低限にしました。担当コーナーの発注先一覧、季節商品の入れ替えスケジュール、POPのテンプレートデータをまとめて引き継ぎ資料としました。
Q: 退職後はどうなりましたか?
退職後1ヶ月は完全に休みました。心療内科に通いながら、少しずつ回復していきました。2ヶ月目から転職活動を開始し、3ヶ月目にIT企業のカスタマーサポート職に就きました。
今の仕事は電話やチャットでの対応なので、対面のストレスがありません。クレームもありますが、マニュアルが整備されていて、エスカレーション(上司への引き継ぎ)の基準も明確。一人で抱え込む必要がない環境は天国です。
小売業でつらい思いをしている方は、「石の上にも三年」を真に受けないでください。体を壊してからでは遅いです。辞めることは逃げではなく、自分を守る行動です。