- 名前:佐藤 美咲(仮名)
- 年齢:29歳
- 経験年数:6年
- 勤務先:病院
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Q: どのような人間関係のトラブルがありましたか?
リハ科長との関係です。私が4年目のときに異動してきた科長が、とにかく高圧的な人でした。カンファレンスで私の治療方針を全否定する、患者さんの前で「こんなプログラムじゃ回復しない」と叱責する。最初は「指導の一環かもしれない」と思って耐えていましたが、明らかに私だけがターゲットにされていました。
他のスタッフが同じことをしても何も言われないのに、私がやると必ず指摘される。勉強会の発表でも「準備不足だ」と資料を突き返されたことがあります。
Q: 周囲に相談はしましたか?
最初は先輩PTに相談しました。先輩も「あの人はああいう人だから」と半ば諦めモード。同期のOTにも話を聞いてもらいましたが、解決にはなりませんでした。
5年目の秋に意を決して、病院の総務課にあるハラスメント相談窓口に相談しました。ただ、結果的には「科長に注意した」という報告だけで、むしろその後の科長の態度が冷たくなり、業務上の必要最低限の会話しかしてもらえなくなりました。
Q: 退職を決断したきっかけは何でしたか?
6年目に入って、朝起きると動悸がするようになりました。病院に向かう車の中で涙が出ることもあって。心療内科を受診したら「適応障害の傾向がある」と言われ、「このまま続けたら本格的に壊れる」と思って退職を決意しました。
診断書をもらうかどうか迷いましたが、休職ではなく退職を選びました。同じ職場に戻っても科長がいる限り状況は変わらないと判断したからです。
Q: 退職届はどのように提出しましたか?
退職届の退職理由は「一身上の都合」にしました。パワハラが理由とは書きませんでした。感情的になって書くと後々トラブルになる可能性があるので、シンプルに。
提出先は院長宛てです。まず副科長に口頭で退職の意思を伝え、その後、院長に退職届を提出しました。科長への報告は副科長が行ってくれたので、直接のやり取りは最小限で済みました。
引き留めは特にありませんでした。科長も「そうですか」の一言だけ。正直、引き留められなかったことでますますモヤモヤしましたが、結果的にはスムーズに退職できたのでよかったです。
Q: 退職後はどうされましたか?
2ヶ月ほど休養してから、介護老人保健施設に転職しました。急性期のようなスピード感はありませんが、利用者さんとじっくり関われるのが自分に合っています。何より、上司が穏やかな人で毎日安心して働けています。
Q: 同じような状況で悩んでいる理学療法士に伝えたいことは?
「我慢すれば状況が良くなる」ということはほぼありません。特にハラスメント相談窓口に相談しても改善しなかった場合、環境を変えるのが一番の解決策です。
退職届を出すときは感情を入れず、事務的に進めること。パワハラの証拠(メールや録音)は念のため残しておくと、万が一のときに役立ちます。PTの資格があればどこでも働けるので、自分を追い詰めないでください。