ストックオプションの基本構造

SOは「将来、あらかじめ決められた行使価格で自社株を購入できる権利」。

種類税制上の扱い特徴
税制適格SO行使時非課税、売却時に譲渡所得(約20%)年間行使額1,200万円以下等の要件あり
税制非適格SO行使時に給与所得課税(最大55%)適格要件を満たさないSO
有償SO発行時に時価を支払う退職時の扱いが柔軟な場合が多い

べスティングスケジュール

多くのスタートアップは「4年べスティング・1年クリフ」を採用。

  • 1年クリフ: 入社から1年未満で退職するとSOは一切行使不可
  • 4年べスティング: 1年経過後、毎月一定割合ずつ権利確定
  • 退職時: 未確定分は自動失効

退職時の損得計算

10,000株のSO(行使価格100円)、入社2年、直近ラウンド株価1,000円、転職で年収150万円UPの場合:

項目金額
確定済みSOの期待価値5,000株 x 900円 = 450万円
未確定SOの期待価値(失う分)5,000株 x 900円 = 450万円
転職による2年間の収入増150万円 x 2年 = 300万円

ただしSOの期待価値はIPO/M&Aが実現しなければゼロになるリスクがある。

会社との交渉ポイント

  • 行使期限の延長: 退職後90日→1年への延長を交渉
  • べスティングの加速: レイオフに近い場合、未確定分の一部加速を要請
  • 買取交渉: 既確定分の買取を打診

交渉は退職届を提出する前に行うこと。提出後は交渉力が大幅に低下する。

退職届のタイミング

  • べスティングの節目(月末・四半期末)を過ぎてから提出
  • 税制適格SOの場合、付与から2年経過後に行使可能になる時期を確認
  • 民法627条により退職届提出から2週間で退職可能だが、SO手続き期間を考慮して余裕を持つ